小林理事長

平山専務理事
原点回帰
〜昔ながらの商店街を目指して〜
弘前中土手町商店街振興組合


 弘前市中心街の一角を占める中土手町。衰退が叫ばれて久しい中心商店街だが、本商店街は創意工夫を凝らし、ハードとソフトの両面から街の活性化を試みている。国の支援制度を活用した街路整備を通じ、昔ながらの雰囲気を残しながら近代化を進めている当組合小林理事長と、中土手町まちづくり委員会委員長も務める平山専務理事にお話を伺った。
○愛される街づくり

▲足形タイル
 中土手町では街路整備事業が進んでいるが、子どもの足形を(かたど)ったタイルが歩道に次々と登場している。
 「老朽化したアーケードの撤去、歩車道の整備をするだけでは街の賑わいに繋がるとは思いません。お客様との距離感を大切にして、常に興味を持ってもらえるような取り組みと、街づくりが必要だと思います」その取り組みの一つとして「今回歩道を整備するに当たり、6歳未満130人分の子どもの足形を、名前や年齢とともにタイルに模り、車道を挟んで両側の歩道約600メートルに設置しています」。そして「足形を提供して頂いた子ども達が、年齢的な節目を迎えたときに見に来て頂き、写真を撮ってもらったり、タイルが目の前にあるお店の方とコミュニケーションをとったりして頂ければ、コミュニティとしての賑わい創出に繋がるのではないでしょうか」と、思いを語る。

▲木製オリジナルミニ看板
  また「地球温暖化対策の一つとして、各店舗のひさしの上に常緑植物のプランターを設置しています。今後もプランターの数を各店舗の協力を得ながら増やし続け、ハードの近代化を進めながらも、街中でも過ごしやすい環境を整備していきたいです」とのこと。その他にも、各店舗には統一した「ひさし」や、あえて店名を記載せず、シンボリックな構造の木製オリジナルミニ看板を設置し、来街者に興味を持ってもらうための工夫が随所に見られる。
○おもてなしの心を忘れずに
 中土手町は弘前ねぷたの運行コースにあたり、観光協会が設置する有料席の他、各店舗前には観覧用の席が並ぶ。その席の一角に「数は多くないですが、各店舗にはおもてなし席を用意してもらっています。有料席の確保を出来なかった、遠いところからいらした観光客の方や、お体の不自由な方が当日見えられた際、私たちができることで「おもてなし」をしようと始めました」と、心のバリアフリー化も推し進めている。
 さらに「年末年始に開催している「開運お年玉抽選会」では、日ごろの感謝をこめて、他の商店街では類を見ない豪華景品(平成22年は40型液晶テレビや温泉ペア宿泊券など)が当たる抽選会を、社会人の節目となる3月には、当選確率が非常に高いお食事券やお買い物券の他、5,000円相当の「グルメ」が当たる「なかどてdeグルメ」を開催しています。両イベントとも景品数が多いため当選確率が高く、魅力的な景品が好評なのですが、応募数が増え続け、この春に行われた「なかどてdeグルメ」では応募数が約2,500通に達し、末等を差し上げなければいけないお客様が増えてしまったので複雑な心境です」と苦笑い。
○新しい取り組みにも対話を忘れず
 「組合ホームページ(http://www.nakadote.com/)ではお店の紹介やイベントの告知の他、組合活動の紹介や街の様子を知ってもらおうと、YouTubeやツイッターをコンテンツとして盛り込みました」とのこと。お客様が映っている動画や、閲覧者が残したコメントは、ホームページだけで完結せず、来街・来店時のコミュニケーションツールとしても有効に活用されるだろう。また「街路整備が完了すると、中土手町の伝統的な街並みと近代的な施設が融合した素晴らしい景観が完成します。この街並みを、北海道岩見沢駅舎にならい、グッドデザイン賞に応募したいとも思っています」と、新たなプランも吐露してくれた。その他、加盟している土手町商店街振興組合連合会が実施しているDoスタンプや、地球環境に優しい商店街の実現に向け、各店舗が連携し合い段ボールや新聞等の「古紙リサイクル事業」等に取り組むなど、活動の幅は非常に広い。

 今後の方針について伺うと「お客様とお店の距離を縮め、心のキャッチボールがしやすい商店街にしなくてはなりません。全国各地の商店街同様、厳しい現状ではありますが、その現状を受け入れ、弘前市に残っている城趾(じょうし)、時計台、教会や寺社など古き良き建造物から醸し出される雰囲気を活かした街づくりを、無理をせず、これからもずっと続けていきたいです」と語ってくれた。

弘前中土手町商店街振興組合
組合事務所
弘前市大字土手町78番地(ルネス街3F)
電話
0172-33-7001
設立年月日
昭和39年4月
組合員数
55名
出資金
1,133千円
理事長
小林貞三

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