将来を見据えた事業展開を目指す
八戸鉄工団地協同組合
理事長  田村 幸男

○原材料価格高騰の影響
 かつて不振を極めた鉄鋼業界でしたが、中国の自動車・家電などの生産量の急増により、鋼材など素材の需要が極めて旺盛です。中国を牽引役として需要が拡大し、その結果鋼材価格が上昇、鉄鋼メーカーは劇的な復活を遂げました。しかし私たち加工業界にとっては、原材料価格の高騰が利益を圧迫し、また材料の調達に苦慮するなど大きなマイナスの影響が出ています。この傾向は今後も続くと思われますので、これまで以上に価格戦略を重視した経営の舵取りが必要です。

○新分野へ進出
 会員企業が新たな付加価値を見出し、技術力を高めるために新分野進出を考えました。当組合と組合員の共同出資により昭和57年3月に北日本鍍金(株)を設立し、『溶融亜鉛めっき部門』の操業を開始しました。当時は県内に表面処理業者がなく、県外に依存していた作業を何とか県内でという思いで取り組みました。その後、平成2年3月より新たに『電気めっき部門』の操業を開始し、得意先の拡大を図ってきました。当初は、多種多様な顧客ニーズへの対応や、品質維持に苦労し、立ち上げから本格操業、そして採算ベースに乗せるまで相当の期間を要しました。平成12年には県の経営革新に承認され、IT関連の急激な設備投資の伸びに合わせて、需要の拡大が見込まれる『電解研磨分野』への参入も実現しました。これで表面処理業者としては、素材関係からハイテク関連までの顧客に対応できる経営が可能となりました。現在に至っては、減少の一途を辿る公共工事の受注減をカバーするひとつの柱となっています。

○今後の展望
 私たち中小企業の持ち味は、時代の変化に順応できる柔軟性です。これからは、大手取引業者から依頼される量産加工品に執着していては生き残れません。5年、10年先を見据え、これからの成長産業は何であるかアンテナを張る必要があります。今であれば、環境関係ビジネスが有望です。例えば、バイオマスエネルギー関連やハイテク農業関連設備などの最新設備の設計、開発、製造に携わることで共に成長していきたいと考えています。組合の組織力と知恵を結集し新分野にチャレンジしていきます。

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