みちのく組合情報

秋田
地域木材産業に根ざした住宅造り
〜設計集団環協同組合〜
理事長 佐藤友一

○背景と目的
現代の住宅建築は、ほとんどが経済コストだけに流されて外材に集中しております。そのため、国産材の使用比率が低い状況にあり、このままでは山が荒れ果て、林業家はいなくなり、宝の持ち腐れ状態になりかねません。
その状況を打開するためには「設計事務所」本来の住宅造り、国産材を使った住宅を再構築し、国産材の良さ、林業の現状を一般消費者に伝える義務があると考え、平成5年より5名のメンバーで任意組織として活動してきましたが、平成10年に組合を設立しました。

○事業・活動の内容及び成果
当組合では建築物設計監理の共同受注を事業の柱とし、地元の小学校・中学校を始め、道の駅や公営住宅など多数の設計管理業務を受注してきた他、最近では県・市以外にも厚生労働省、国土交通省の設計監理業務の受注もしております(http://www.chuokai-akita.or.jp/kan/sakuhin.htm 参照)。
組合で設計した建物の評価は高く、平成11年に完成した旧二ツ井町(現・能代市)の山根団地町営住宅については、①地場産の杉材を用い、②伝統技能の伝承を図り、③床下調湿材や腐朽防止剤に天然素材のゼオライトを用いているエコロジー性などが評価され、国産材供給システム優良事例コンクールで林野庁長官賞に輝きました。
また、平成18年には「能代市立常磐小中学校」 が(社)日本建築士事務所協会連合会一般建築部門奨励賞を受賞しております。
組合で共同受注することにより、組合員の設計に取り組む姿勢に変化があり、さらに共同研究事業による設計レベルの向上が受注に結びつく好循環となっております。
山根団地町営住宅
能代市立常盤小中学校

○国産材の更なる活用を!
平成9年にスタートした秋田県立大学木材高度加工研究所による、耐震性に優れた木造住宅を検証し普及するプロジェクトにおいては、研究開始から研究所とともに設計業務に携わりました。 この研究で得られた成果は、新しい耐震木造住宅のモデルとなり、秋田スギが活用された地産地消型のエコロジー住宅として、全国に発信、普及されることが期待されています。
個人住宅の建設に関する相談はまだまだ少ない状況ですので、今後は地域住民に対するPR活動の実施により、受注量の増加を目指すとともに、木材高度加工研究所との研究事業も積極的に推進し、「住宅での国産材の活用」を更に推進して行きたいと考えております。
秋田県立大学木材高度加工研究所との実験検証住宅

ご意見・ご要望は
設計集団環協同組合
理事長 佐藤友一
〒016-0814 秋田県能代市能代町字中川原26
TEL 0185-55-0022/FAX 0185-55-0023
http://www.chuokai-akita.or.jp/kan/

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