年頭所感

株式会社商工組合中央金庫 秋田支店
支店長 甲斐 昌雄

 新年明けましておめでとうございます。
 秋田県中小企業団体中央会ならびに会員の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 平成20年の経済は、サブプライムローン問題が次第に深刻化して未曾有の金融危機に拡大するに連れ、日増しに停滞色が濃くなりました。中小企業の景況も、企業や業種毎、または地域間の格差を伴いながらも、総じて厳しさを増しました。商工中金の中小企業月次景況観測によると、11月の景況判断指数は、大手金融機関の破綻等があった平成8年6月に記録した最低値を下回りました。この背景には、第一に素原材料価格の高騰を受けた仕入価格の急上昇を販売価格に十分転嫁できないなか、売上高が内外需の減速を受け急速に鈍化し秋口から減少に転じ、大変厳しい採算状況が続いたこと、第二に資金面でも環境が悪化したことなどが挙げられます。
 平成21年を展望しますと、金融部門と実体経済の悪循環に世界経済は低成長に止まる見通しであり、わが国経済も後退色が濃い状況が当面続くと思われます。輸出は米国向けを中心とした減少基調が続き、設備投資は企業収益・資金調達環境の悪化から引き続き減少が見込まれます。個人消費については、購買力を減殺する物価の上昇は収まると見込まれるものの、雇用の悪化や、賞与の減少等に伴う賃金の弱含みから所得環境は悪化し、概ね横ばい程度の推移に留まるものと見込まれます。住宅投資は、所得の悪化に伴い引き続き低水準で推移するとみられます。公共投資は抑制方針から削減基調が続く見込みです。金融危機の震源となった米国で住宅部門の底入れや、金融部門の落ち着きから、景気が底を打ち、国際協調を含めた各国政府・中央銀行の対応がこれを下支えして世界経済が回復に向かうことが期待されます。
 このような厳しい経済環境の中で、商工中金は、昨年10月に「株式会社商工組合中央金庫(新商工中金)法」のもと、協同組織金融機関から株式会社形態に移行し、新たな一歩を踏み出しました。
 商工中金は、昭和11年11月に設立されて以来、70余年にわたり、中小企業等の組合を核とした独自のネットワークを通じて、中小企業金融の円滑化に全力を尽くしてまいりました。株式会社化後も、「お客さまの成長こそが私たちの成長」であるとの考えのもと、顧客ニーズを踏まえたお客さま本位のサービスを提供し、顧客満足を追及するという「お客さま第一主義」の経営スタンスを、より一層徹底してまいります。
 これからも「中小企業による中小企業のための金融機関」として、引き続き皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、職員一同、全力で努力を続けてまいります。今後とも格別のご指導とお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
 最後に、皆様のご繁栄とご健勝をお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。



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