日本列島組合探険隊
共同受注を通じた
生産性向上
木屑を燃料に地域スギの不燃材を生産し注目を浴びる
〜ドライウッド上越協同組合(新潟県)〜
◆背景と目的
 蓄積量が年々増加している地域国産材の有効活用は、木材、製材業の再生と活性化に必須である。このコンセプトを基礎に、当該地域の製材業、木材製品製造業者6社が集結し、平成10年8月に当組合を設立すると同時に、「遠赤外線燻煙乾燥処理」による共同事業に取り組んだ。その後、平成15年には、難不燃材生産事業に着手。現在は、国土交通省の認可を得て、販売促進活動を実施している。
◆事業・活動の内容
 当組合の「遠赤外線燻煙熱処理」は、赤外線の放射率を高めて短い時間で乾燥でき、コスト削減、品質向上が可能となる。また、樹木組織の仮導管にある閉鎖壁孔壁を破壊することにより、薬剤浸透性を大幅に改善できる。難燃、不燃材の浸透が容易になることから、更なる高付加価値を狙った難不燃材生産事業を開始した。現在、防火性能試験に合格し、国土交通省の不燃及び準不燃材料認定、不燃外装材、防火構造(耐力壁)認定を取得している。
◆成果
 設立時、当組合が掲げた目標は次のように達成している。①森林資源の有効利用:丸太乾燥による根曲がり材の利用増加、②木質燃料による乾燥(省エネ):木屑廃材燃料による乾燥システムの稼動、③品確法適合材の供給:国土交通省の認可取得、④安全で健康な木造住宅:不燃外装材を使用したリフォーム施工。乾燥梁材を使用した建物施工。一方、組合員企業は、次の成果を得ている。①業界における信用力向上、②乾燥技術委員会で検討している品質管理に関する特性要因図などの手法を組合員企業で活用した品質の向上、③組合で実施している現品単品管理を組合員企業で活用した歩留まり率の向上、④共同乾燥によるコストの削減。


【組合の概要】
所在地:新潟県上越市名立区名立小泊102-17
電 話:025-537-2445
設 立:平成10年8月
組合員:6名

共同受注を通じた
生産性向上
組合の認定マークをつけて「岡山豆腐」を販売
〜岡山県豆富商工組合(岡山県)〜
◆背景と目的
 組合ブランドを立ち上げたのは、同業者間の利害関係を超えた「業界の生き残り」を考えた結果である。安い商品が市場を占めれば、消費者は豆腐はこんなものかと思ってしまう。「まじめ一丁」は輸入大豆を原料とした豆腐と比べると2倍以上コストや手間がかかる。しかし、岡山県産大豆を100%使い、にがりだけで作った昔ながらの豆腐を、消費者に適正な価格で販売することで、岡山の豆腐を守り、育てていきたいと考えている。
◆事業・活動の内容
 組合ブランドを立ち上げるために、中央会の補助事業を活用し、専門家を含めて、委員全員でコンセプト等を決めていった。製品の品質については、会社による技術格差をなくすために、生産工程でどのようにするか専門家を交えて研究を行った。委員会の内容は全組合員に流し、情報の公開を行った。平成19年度より「まじめ一丁」の販売を行っているが、組合員の販売チャンネルを広げるために、執行部も営業面で支援している。販売促進費については、販売斡旋の手数料から使用している。
◆成果
 国内の大豆とにがりだけで豆腐を製造したことのなかった組合員にとっては、今回の事業で技術力は大きく向上したと考えられる。高いグレードの商品であり、既存とは違う販売チャンネルに進出している組合員もおり、「まじめ一丁」は岡山県内で定着していくと想定される。材料を吟味し、岡山のホンモノの豆腐として定着させることで、「岡山豆腐」として団体商標登録を目指していく。


【組合の概要】
所在地:岡山市神田町1-8-16
電 話:086-223-4325
設 立:昭和34年4月
組合員:37名
※本コーナーは、全国中央会が取り纏めた「企業組合事例集」をもとに編集しています。



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