中小企業者と農林漁業者との連携で地域経済の活性化を!
〜農商工等連携促進法の概要〜

 去る7月21日、農商工等連携促進法(中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律)が施行された。近年、企業規模や業種、地域により景況に格差が見られる中、我が国が、地方を中心として元気を取り戻し、活力ある経済社会を構築するためには、地域経済の中核をなす中小企業者や農林漁業者の活性化を図ることが重要であるとの考え方から、商業・工業等の中小企業者と農林漁業者が連携して行う新商品等の開発・販売促進等の取り組みを支援することで、双方の活力を取り戻し、地域経済の活性化を図ることが期待されている。

農商工等連携促進法の活用イメージと事業者への支援措置

農商工等連携促進法の活用イメージ

 
主な支援措置

○中小企業信用保険法の特例(各種保険で現在の保証限度額に特別枠を設け、保証限度額が倍になる)
○小規模企業者等設備導入資金助成法の特例 (貸付率が現行の2分の1以内から3分の2以内へ)
○食品流通構造改善促進機構の債務保証(食品の流通の合理化・高度化から支援対象を拡大へ)
○農業改良資金助成法などに基づく貸付対象を中小企業に拡大。償還期間・据置期間を延長。
○設備投資減税制度の創設(7%の税額控除又は30%の特別償却)
○中小企業者に対する低利融資制度の創設。

 この他、「農商工連携」の促進を通じた地域活性化を推進するため、経済産業省と農林水産省では、それぞれ約100億円の各種支援策を用意している。

事業者への支援の流れ要件

1. 有機的連携
中小企業者農林漁業者が有機的に連携し、それぞれの経営資源を有効に活用すること。
2. 新商品の開発等
事業により、新商品若しくは新役務の開発、生産又は需要の開拓が実現すること。
3. 計画期間
計画実施期間は、原則5年以内とする。
4. 経営の向上・改善
中小企業の経営の向上かつ農林漁業者の農林漁業経営の改善実現すること。

事業者への支援の流れ

事業者への支援
(注)は法律認定による支援

農商工連携の事例 〜「農商工連携88選」より〜

地元産赤豚による新商品開発とブランド化【宮城県登米市】
中核団体:(有)伊豆沼農産
○農業者−食品メーカー−百貨店等
・地元の関係者の連携により、「伊達の純粋赤豚」を活用した新商品を開発するとともにブランド化を実施
・畜産農家は、ブランド価値を高めるため、豚の全頭検査を実施。食品メーカーやデザイン会社を中心とした研究会で新商品を開発。
・大手百貨店などに出品するとともに、香港にも輸出。
・平成18年度売上:4.8億円

地場伝統野菜などによる本格焼酎の開発・販売【山形県米沢市】
中核団体:米沢商工会議所
○商工会議所−農業者−製造業者−流通業者
・商工会議所のコーディネートの下、生産・製造・流通が三位一体となってプロジェクトを編成し、地域の重点振興作物である「メルヘンかぼちゃ」、江戸時代からの地場伝統野菜「うこぎ」を使った本格焼酎を開発。
・平成18年度で、かぼちゃ焼酎、うこぎ焼酎あわせて売上約1,000万円を達成。

地元産キャベツを使ったキムチの製造・販売【群馬県前橋市】
中核団体:群馬県漬物工業協同組合
○農業者−製造業者−販売業者
・従来、韓国・国内とも、キャベツを原料にしたキムチは無かったが、製造業者の長年にわたる乳酸菌に関する研究の結果、「キャベツキムチ」を開発。
・「キャベツキムチ」推進委員会を発足し、関係業者一体となった地元産統一ブランドで販売を実施。
・加工品の増加により、キャベツの消費が拡大。
・平成18年度売上:2,600万円

農商工連携情報交換会開催される
〜商工・農業5団体が農商工連携のあり方について意見交換〜
 去る7月31日(木)、県内の商工団体と農業団体による農商工連携情報交換会の初会合が、秋田商工会議所を会場に開催された。
 参加団体は、本会のほか、県商工会連合会、秋田商工会議所、JA秋田中央会、JA全農あきたの5団体で、5団体の連携により、新商品や新サービスの掘り起こしを推進することを目的としている。
 会議の中では、「これからの農商工連携のあり方について」のテーマで意見交換が行われ、地域課題や農商工連携の現状について幅広く意見交換が行われた。
 次回は10月上旬の開催予定となっており、具体的な連携等について検討する予定となっている。



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