年頭のご挨拶

商工組合中央金庫秋田支店
支店長 藤波 靖夫

 新年明けましておめでとうございます。
 秋田県中小企業団体中央会ならびに会員の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 平成19年の新春を迎えるにあたり、所感の一端を申し述べてご挨拶とさせていただきます。
 まず昨年のわが国経済を振り返りますと、輸出と設備投資、個人消費が概ね堅調に推移し、景気は回復を続けました。平成14年以来の回復局面は、昨年11月をもって戦後最長の「いざなぎ景気」の期間を上回ったとみられております。
 需要が堅調に推移する中で、雇用や設備の不足感が強まったうえ、原油や素原材料価格が高騰し、消費者物価は緩やかながらも上昇基調に転じました。こうしたなか、日本銀行は3月に5年ぶりに量的緩和政策を解除、7月には政策金利の引き上げを行いました。
 今年の経済情勢を展望しますと、海外経済の成長ピッチがやや緩やかとなる見込みですが、個人消費や設備投資などの内需が景気を下支えし、息の長い回復が続くものと考えられます。
 当県内の中小企業の景況感についても緩やかな改善が続いておりますが、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁が十分に進まず、採算は厳しい状況となっているうえ、雇用不足なども相俟って、業種や地域によっては、その景況感に格差が残ると考えられます。
 このような環境のもとで、景況感の業種格差や地域格差を解消していくには、県内中小企業の皆さまの一層の活性化が必要であり、特に今年度におきましては、「地域の実情を踏まえた再生・活性化策の拡充」、「商工中金の特性を活かした質の高い金融サービスの提供」、「セーフティネット機能の発揮」を重点事項として掲げ、取り組んでおります。
 次に政策金融改革の動向につきまして、述べさせていただきます。
 昨年6月、政府の政策金融改革推進本部及び行政改革推進本部において「政策金融改革に係る制度設計」が決定されました。
 この制度設計は、同年5月に成立したいわゆる「行政改革推進法」の規定を具現化し、今年、国会に上程される政策金融改革関連法案の基礎となるものです。その中で、商工中金は、平成20年10月に特殊会社(特別の法律に基づく株式会社)として新体制に移行し、その後おおむね5年から7年を目途に、中小企業団体とその構成員に対する金融機能を維持した上で、完全民営化するものとされました。
 完全民営化時点で、商工中金は、政策金融機関として培ってきた中小企業との信頼関係など、中小企業に特化した事業評価の能力や全国的なネットワーク等の経営資源を活かして、事業再生や創業支援も含めた中小企業のニーズに対応し、安定的な資金供給、多様な金融サービスの開発・提供を行うことを事業の目的として、中小企業団体及びその構成員向けに特化した幅広い金融サービスを展開する民間金融機関となります。
 また、内外の金融秩序の混乱、大規模な災害等の危機時においては、政府の指定する金融機関として、引き続きセーフティネットの役割を担います。
 つまり、中小企業の皆さまとのリレーションシップに基づき、長期的な視点で、危機時も含めて安定的に資金を供給するという、これまでの商工中金が果たしてきた機能や役割は、これまでと何ら変わりません。このことは、全国の多くの中小企業、中小企業団体の皆さまから、応援をいただき、その声が反映された結果といえます。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
 中小企業団体及びその構成員向けの金融機関としての機能を維持し、完全民営化を円滑に進めていくために講じられる措置のもとで、より質の高いサービスの開発や経営の効率化等、不断の努力によって自らの企業価値を高めつつ、皆さまから「期待される役割」と「自立化」をともに実現するために取り組んでまいります。
 本年は、亥年で、干支では『丁亥』(ひのと・い)にあたります。『丁』は、従来の勢力を維持しようとする動きに対し、それと衝突して新しい勢力を突き通そうとする動きがあることを示し、『亥』は、「核」と同義で「何事かを生もうとしている」起爆的なエネルギーを示しています。事業のさらなる展開や新分野への進出にはふさわしい年ではないでしょうか。
 これからも県内の中小企業組合と中小企業の皆さまの成長発展を支援するとともに、皆さまから、より信頼される金融機関を目指して、職員一同決意を新たに業務に邁進してまいりますので、今後とも、格別のご指導とお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
 年頭にあたり、皆さまのご繁栄とご健勝をお祈りいたしましてご挨拶といたします。



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