平成17年度 経済産業省関係の税制改革について
経済活性化・競争力強化に向けた税制改革

1 創業・経営革新支援策の統合・強化
 【中小企業新事業活動促進法(仮称)関連】
 中小企業支援3法による支援策を統合・強化する中小企業新事業活動促進法案(仮称)を平成17年度の通常国会に提出予定。同法の下で、従来の創業・経営革新支援税制を統合・強化し、簡素で利用しやすい体系を構築する

(1) 創業・経営革新を支援する設備投資減税の統合・強化
 創業時の企業や経営革新に取り組む中小企業が事業の立上げ・拡大に向けた設備投資を円滑に行える環境をより一層強化するため、設備投資減税の統合・強化を行う。

(2) 中小企業に対する留保金課税の特例措置の拡充等
 中小企業をめぐる資金調達環境が依然厳しい中、意欲ある取組を行う中小企業の自己資本充実に向けた努力を促進するため、留保金課税の特例措置の拡充等を行う。

(3) エンジェル税制の延長
 ベンチャー企業の創出・発展を促すため、エンジェル税制のうち、「株式譲渡益の圧縮措置」の適用期限を2年間延長する。

2 人材投資促進税制の創設
 我が国の産業競争力の基盤である産業人材を育成・強化する観点から、人材投資の減少傾向を拡大に転じさせるとともに、企業における戦略的な人材育成への取組を強力に後押しするため、人材育成に積極的に取り組む企業について、教育訓練費の一定割合を法人税額から控除する制度を創設する。
   特に、人材育成支援のニーズが高い中小企業については、教育訓練費を増加させた場合、その総額に対し最大で20%までの控除を可能とする等、積極的に人材育成に取り組む中小企業を抜本的に支援する。

3 その他の主な中小企業関連税制
(1)
企業再生の円滑化を図るための税制措置
 迅速な企業再生を支援する観点から、民事再生法等の法的整理に加え、これに準ずる一定の要件を満たす私的整理において債務免除が行われた際、評価損の損金算入及び期限切れ欠損金の優先利用を認める(私的整理のうち、整理回収機構や中小企業再生支援協議会が関与する私的整理及び私的整理ガイドラインに基づく私的整理が対象となる見込み)。
(2)
LLP(有限責任事業組合)制度の創設
 創業、事業再編、産学連携の推進や、研究開発、高度サービス等の共同事業の振興に適した組織として、1. 出資者の有限責任の確保、2. 内部自治の徹底が図られるLLP(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ、有限責任事業組合)制度の創設を行うとともに、3. LLP段階では課税せず、出資者に直接課税する仕組み(構成員課税)を適用する。
(3)
中小企業等基盤強化税制(流通・サービス業)の延長【国税】
(4)
「中小企業小売商業振興法」に基づいて整備される商業施設等の特別償却の延長【国税】
(5)
事業協同組合等の留保所得の特別控除制度の延長【国税】
(6)
中小企業等の貸倒引当金の特例措置の延長 【国税】
(7)
商工中金・信用保証協会の抵当権設定登記等の税率軽減の延長【国税】
(8)
中小企業新事業活動促進法(仮称)に規定される経営基盤強化事業の用に供する施設に対する事業所税の資産割及び従業者割の非課税措置の継続【地方税】

4 長期的検討課題
(1) 金融所得課税の一元化の推進
(非上場株式等に係る所得との損益通算等)
(2) 交際非課税
(3) 中小企業の事業承継の円滑化に資する税制措置の整備

【問い合わせ先】
 経済産業省経済産業政策局 企業行動課
(Tel. 03-3501-1675)
 詳しくは、同省のホームページをご覧下さい。
http://www.meti.go.jp/press/20041215005/20041215005.html



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