新春特別企画 2005年への思い
 2005年の新春に当たり、本会の副会長及び常任理事から業界の現状や今年の抱負などについてご寄稿を頂きました。(順不同、敬称略)

本会副会長
秋田県味噌醤油工業協同組合
理事長  安 藤 恭 蔵
 新年明けましておめでとうございます。
 平成16年度の味噌醤油業界における最大の関心事は、味噌の表示に関する公正競争規約が公正取引委員会から平成16年5月11日に認定され、同12日に公布されたことです。不当表示の禁止、特定用語の使用基準、書類等の整備、等々について全国味噌業公正取引協議会を発足させ、具体的に会員証紙の届出制度をはじめ、組織・運用面の検討が進められているところです。そして、いよいよ本年5月に完全実施を迎えることになりました。
この規約の目的は、あくまでも消費者が正しく商品を選ぶことが出来るようにし、味噌の信頼を高め買う人にとって分かりやすい環境を作ることです。そして、「自社にとっては厳しく、消費者にはやさしく正しく」が表示規約策定の基本的な考え方となります。やがて醤油業界でも味噌業界以上に厳しい規約を目下検討中です。
いろいろな食品業界の不祥事が発生する中、私達味噌醤油業に携わる者は、今後、食品の安全・安心について消費者に対し、「正しく分かりやすい表示」、「確実に実行出来る表示基準の設定」は当然の責務であります。やがてそれが業界の健全な発展につながるものと確信致しております。
 1970年代、国民の食生活は大きく変わり、「食環境の変化、そして食行動の変化」により“豊食から飽食へ”と言われておりました。1980年代は、“食の混乱、食の喪失”と言われた時代でした。やがて1990年代に入ると食の危機を迎え、数々の事件、事故が続発しました。
 それが、“飽食の時代”から“崩食の時代へ”と移り変わっている結果であると最近の社会心理学者が分析しております。
 私達は、食品業界の中では微々たる存在ではありますが、将来の日本人の食生活の基本的分野を担う為にはこれらの社会現象を真摯に受け止め、今後の業界活動の指針としたいものです。

本会副会長
秋田県自動車販売協同組合
理事長 三 浦 廣 巳
 新年明けましておめでとうございます。
1 業界の現状
 2004年は首都圏をはじめ東海地区はバブル期に匹敵するような好景気と言われてきました。しかしながら県内の自動車需要は13カ月連続対前年割れの厳しい状況でした。2005年の予想は良くても前年並み、引き続き市場は低迷すると考えられます。そんな中で自動車リサイクル法の施行、個人情報保護法への対策、車検期間の延長問題等々、業界として対応を迫られる課題は山積みです。収益力の厳しい中、新たなルールに対するコストを生み出す知恵が求められております。
2 今後の方向
 秋田県における車の必要性は申し上げるまでもありません。快適な生活を維持するために、なくてはならないツールであります。安心して快適なカーライフを楽しめる提案をしていくことがわれわれ業界の使命と考えております。
 お客様に選ばれるお店、頼られるお店になることが生き残る道と考えます。そのために業界としてやるべきこと、個々の企業としてやるべきことを徹底的にすばやく実行することが求められています。本物だけが評価される時代になったわけです。このことは悪い時代ではなく、正しい時代の到来と考え、精進努力することだと考えます。
3 本年の決意・抱負
 厳しい環境の時こそ、人が育ち、組織が強固に成るチャンスだと考えます。人は結果の出ないことを環境のせいにしたり、他人のせいにしたりします。しかし、これでは自分のやるべき改善や工夫がありません。いつまでたっても成長せず、世の中の変化に対応していくことは不可能です。結果が出ないのはすべて自分の責任です。自分の力が足りないからです。明確な目標を定め、不断の努力と情熱を持って行動していくことではじめて結果が出るものと確信します。
 良い年にするのも悪い年にするのも回りのせいではありません。ひとえに自分自身の心構え、行動によるものだと思います。そんな思いで、2005年を輝かしい年にしたいと思います。

本会副会長
秋田市共通商品券協同組合
理事長  藤 木 啓 二
 昨今、三位一体改革については毎日のようにマスコミを賑わせているが、中々景気の向上に結びつかないように思う。個人消費の活性化を望んでいるものの、定率減税の廃止、公的負担、消費税の行方など、人々を取り巻く環境は、逆に個人消費にブレーキをかける方向に進みつつある。
 そのような現状の中で、全国のスタンプ発行団体の実態を見ると、郊外大型SCやディスカウントストア、商店街ではチェーン店の出店増加等の一方、既存店の廃業や売上げ低迷、有力発行店の取り扱い中止等で多くのスタンプ・ポイント発行団体が発行額の減少や魅力あるイベントの中止をせざるを得ない状況となっている。
 全国でもナンバーワンの商店街が大型店の経費節約で昨年対比64%という数字も出現しているが、中止をした大型店が売上げ低迷で再度考慮中という複雑な現象も起きている。
 本組合のポイントカードは、最初から秋田市全域としてスタートした経緯があり、今やほっぺちゃんカードも共通商品券も全県一区を目指して拡大を続けている。
 同じエリア内での商戦は、店舗の淘汰や立地条件の変化で昨年対比を上回ることなどは無理な状況ではないかと思う。従って、全県内で隈無く同じ商品券・ポイントが利用出来ることはお客様ばかりではなく、これを運営する組合も効率的になることは、現在進行しつつある市町村合併と同じことだ。
 全国でも各地でポイント発行が行われているが、いずれエリア拡大を念頭に置いた戦略でないと、行うイベントの魅力のなさと、加盟店の退会という悪循環になることは目に見えている。
 我が“ほっぺちゃんカード”の111%(平成15年度対比)という率は、全国NO.1であるばかりか、平成16年度に入ってからも毎月二桁の伸びとなっている。特に、本年度は、若い層にも浸透するようにQRコードの設定やファンクラブ3千人に安価に情報提供すべくIT関係の本格的活用を考慮中である。
 単に、小売業だけではなく現在では様々な業種・業態にまで利用されている“ほっぺちゃんカード”は完全に市民権を得た。今年は、県民権を得る為に大いに全県民で9年目の“ほっぺちゃんカード”の育成をしたいものだ。
 中央会会員皆様方の更なるご利用で、秋田県経済の発展と地域の活性化を図りたいものである。

本会副会長
秋田県南トラック事業協同組合
理事長  塩 田 謙 三
 〜厳しい時代に組合の力を発揮〜
1 業界の現状
 昨今の運送業界を取り巻く経営環境は、バブル崩壊後の厳しい時期の中で物流二法が改訂され、経済的規制の緩和・社会的規制が一段と強まり、業界の流れが急激に変化しております。運送業者の数は、参入規制が緩和される中で年々増加し、県内業者間の競争が激化しているだけでなく、県外からの運送業者の進出も増え過当競争に一層拍車がかかっている状況にあります。また、社会的規制の強化面では、排気ガス規制に伴う車輌代替経費の増加、交通安全での大型トラックのスピードリミッター装着義務化による交通渋滞、原油高による燃料費の急激な高騰など、コストアップ要因が相次いで生じておりますが、これらのコスト増加分を運賃に転嫁出来ない状況にあり、経営を圧迫する大きな要因となっています。
2 今後の方向
 全国の運送業者の90%以上が中小零細事業者で占められる中で、それぞれの地区においては事業協同組合を設立して、相互扶助の精神による組合活動を展開しています。秋田県内にはトラック関係の協同組合が8組合あり、傘下の組合員総数では105社になります。経営を圧迫しているコストアップの要因を抑えるには、組合組織による「共同経済事業」を利用することがこれからの時代に必要であると考えます。
 現在でも軽油やオイル等の燃料類、タイヤなど個々の組合員が使用する量は年間を通じて相当な金額となります。コスト面の削減を考えるならば少しでも共同購買事業を活用し、仕入れ価格を抑える自助努力が必要であろうかと思われます。
 また、これまで組合が行ってきた「高速道路通行料金別納割引制度」によって、組合員企業の高速道路の利用料金の負担が軽減されてきましたが、国の制度の見直しによって廃止されることになりました。業界団体では、政府に対して制度の維持或いは代替制度を訴えてきましたが、平成17年4月より「大口・多頻度割引制度」という新システムに移行されることが決定し、引き続き割引制度が導入されることになりました。
 協同組合に携わっている一人として、これまで以上に協同組合のスケールメリットを訴え、協同組合の原点である相互扶助の精神で組合活動を行って参りたいと思っています。
3 本年の抱負
 昨年の運送業界は、長引く不況との戦いや台風などの塩害被害に伴う貨物輸送量が減少するなど非常に厳しい年となりました。
 2005年も先行きが不透明な経済情勢が予測される中で、貨物量が増えることはないものと思われます。組合員個々がそれぞれ、自社の強みをチェックし更にそれを充実させて行くことが肝要と思われます。
 これからも、組合活動を通じて財政基盤の強化を図り、顧客満足度の向上に努めるよう組合員が一丸となってこの難局に立ち向かいたいと思っています。

本会常任理事
秋田たばこ販売協同組合
理事長 原 田 啓 藏
 〜喫煙者と非喫煙者の共存を願いつつ〜
 経済の低迷が、遅々として改善の兆しが見えない地方経済の状況下で、特に厳しいたばこ業界は、健康増進法の施行・たばこ枠組み条約の締結等から業界環境の変化から発生した喫煙と健康、或いはたばこのパッケージへの注意文言の強化等で、一方的なたばこ有害論が蔓延し、このような中での分煙と全面禁煙による喫煙場所の分離や排除が行われた結果、連鎖的に喫煙人口は激減し、前年より76万人減となり、長年キープした喫煙率も29.4%台を割り込み過去最低を記録した。
 たばこは、たばこ事業法に基づく合法的商品であり、しかも、たばこに占める税金の割合は60%強と専売時代は財政専売として、現在は、担税商品として、国・地方公共団体の財政に大きく寄与しており、しかもこのような状況は専売制度以来何ら変化がない。ちなみに、税額全額を国家財政に置き換えると、国の予算82兆円のうち、諸税収入は40兆円程度であるが、たばこ税(国・都道府県・市町村の総額)は2兆円となり、実に税収の5%程度を愛煙家等が負担する国等の安定的財源となっており、しかもこの税収は、大人の嗜好品であるたばこの税収であることを再認識して欲しいと思います。
 即ち、嗜好品であり財政物質であるならば、愛煙家を社会から締め出すのではなく、喫煙者も非喫煙者も同居できる社会形成に心掛け、お互いに認め合う姿勢を共有することが肝要と思われます。
 こうした現実を踏まえ、業界としては常に非喫煙者への受動喫煙防止対策の観点から、喫煙者のマナー向上策に最大限の配慮を行うと同時に、愛煙家を擁護しながらその上で、製販三層の生活権をも念頭に置き、相互に共存出来る喫煙環境の整備促進が命題と強く考えます。そのため、この対策として当面公共施設での分煙化には積極的に協力し、他方、喫煙場所の確保対策にもその環境整備に最大限努力し、或いは社会に貢献する業界として、街の環境美化にはこれまでにもまして、精力的に取り組んで参りたいと思います。
 更には、無限の可能性を秘めた発達途上にある未成年の心身の健全育成の観点から、自販機販売の深夜稼働の自主規制の徹底を呼びかけ、現在開発検証中にある成人識別装置付きの自販機の早期導入に向けて、全力を傾注して行きたいと考えております。
 特に、末端たばこ販売店での未成年への喫煙防止対策としては、古くて新しくエンドレステープのように、いつまでたっても終わりのない責務として肝に命じ、愛の一声運動と相俟って、永遠の課題として組合員一丸となって取り組んで参ります。

本会常任理事
秋田県主食集荷商業協同組合
理事長 柳 田  聰
 新年明けましておめでとうございます。
 さて、我々米穀業界は、昨年4月にスタートした米政策改革により、需要に応じた米づくりを推進する観点から、米の作付けを減らす面積、即ち生産調整目標面積の割合から、客観的な需要予測に基づき設定される生産目標数量を配分することにより行う方式に転換され実施致しました。
 このような状況から、先ず、地域の水田農業の中心となる地元産米の売れ行き・売り先・価格等の需要動向を把握した上で、共通認識を共有して頂き取り組んで参ったところであります。
 平成16年産米の作況は、全国的には「98」の平年並みですが、当秋田県は度重なる台風襲来で著しい不良の「85」となりました。
 この不作の中での集荷は、一方ならぬ苦労があったことと思慮されますが、組合の集荷率は、契約数量内・外を含め、契約比96.3%となり、国民の主食であり、安定供給への生産流通に携わる責任者としての姿勢が伺われます。
 今、消費者は安全と安心を求め、信頼社会となりつつあります。
 一方、商品は米に限らず付加価値時代であり、生産・販売においても従来の考え方を超えた独創的にして創意と工夫をもって開発しなければ先が拓けない状況下にあります。つまり、求められる米づくりに対応すべく「秋米特才米委員会」を発足し、統一栽培基準を設定し、減農薬・減化学肥料に適合した栽培で、県の特別栽培農産物認証を受け、トレーサビリティへの取り組み、土壌管理資材とともに機能性肥料を施用し耐病虫性を高めて、食味値75点、整粒歩合75%以上を達成することとし、平成17産米より本格的に栽培を拡大することに致しました。
 当組合としては、ますます激しくなる産地間競争に対応し、「秋田米ブランド」をさらに高めるため、需要ニーズに対応した作付けを推進し、組合員並びに関係機関と一体となり販路拡大を推進して参ります。
 今後とも一層のご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。

本会常任理事
秋田県菓子工業組合
理事長  後 藤  一
 新年おめでとうございます。
 年頭に当たり、所見を述べさせて頂きます。
 菓子業界の現状は、第一に組合員の高齢化が進み後継者難が深刻化していることです。ここ数年の間に組合員数が激減し、最盛期の約半数の180余名となっています。
 第二は高速交通体系網の整備等により、他県から安価な商品が流入するようになり、また、核家族化や個食化によって食べたい物を食べたい時にと言う利便性が消費者のライフスタイルになり、営業時間や気軽さと言う点でコンビニ等異業種が大きく立ちはだかってきています。
 このような難問を打破すべく、『生活に安らぎと潤いを与えるお菓子』をもっと消費者の皆様に理解頂き、また、我々業界も消費者の皆様と直接触れ合うことによって、今求められているお菓子のニーズを探る機会とするため、「あきた大菓子まつり」を企画し、平成16年11月13日(土)と14日(日)の2日間に亘り、秋田市の秋田拠点センター「アルヴェ」で行いました。
 足かけ2年に亘る検討委員会と理事会の中で、組合員・青年部・洋菓子協会・和菓子協会の皆様のご理解とご協力を得て、「秋田市建都400年事業」として認定して頂くと共に、秋田県からも「地産地消」をテーマに消費者の皆様から創作菓子のコンテストに助成を頂きました。
 2日間で「アルヴェ」開設以来の約25,000余名の県民の皆様にご来場頂き、成功裡に終了することができました。
 今の時代に組合に加入していてもメリットが無いという声を良く耳にしますが、同一の業種の人々が組合の下に集い、個々の力を結集して業界をアピールしていくためには、組合の存在を今一度問い直す時期ではないかと思われます。
 そのためには全ての組合員の皆様も自分の抱える問題や疑問をあらゆる場を通じて組合に問いかけて頂ければ、組合の活性化につながると思います。
 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

秋田県中小企業団体中央会創立50周年記念事業
〜第1回検討委員会開催〜
 平成16年12月16日(木)、秋田市の秋田県商工会館「ホール80」において、「秋田県中小企業団体中央会創立50周年記念事業検討委員会」(藤木啓二委員長)の第1回委員会を開催した。
 委員会の開催に当たり、藤木委員長(秋田市共通商品券協同組合理事長)から、「本委員会で出された意見をたたき台として、これからの方向付けをしていきたい。」と挨拶が行われた。この後、審議に入り(1)開催時期 (2)記念事業の内容 (3)今後のスケジュールなどについて活発な意見交換が行われた。



Copyright 2005 秋田県中小企業団体中央会
URL http://www.chuokai-akita.or.jp/