◆編集後記◆

金融再生関連法案が議論の渦中にある中、公的資金の投入をめぐって数兆円単位の数字が毎日のように紙面を踊る。ところで1兆円というお金は一体どんなお金なのか?住宅金融債権管理機構の中坊公平社長が持ち出したたとえ話…1年365日、日曜日も祭日も、雨の日も風の日も毎日1日も欠かさず100万円を使うと1兆円を使い切るのに果たして何年かかるか?…答えは約3,000年。

今から3,000年前というのは縄文時代なのか旧石器時代なのかそれともそれ以前なのかよくわからないが、いずれわれわれ庶民の感覚からすれば1兆円という金額はあまりにも天文学的な金額であり、日常とかけ離れ過ぎてピンとこない。

大学の教育や研究活動を評価するため、文部省が第三者評価機関の設置を決めた。国内的に優れた水準の研究を行っている者が何人いるか、国際的に通用する優れた研究を行っている者が何人いるかによって大学をランク付けし、補助金を配分しようとするもの。

日本には大変な数の大学や大学院があって経済学の研究がなされている。現在日本が沈没するほどの事態にありながらこうした研究者からほとんど提言らしい提言が出てこないのは不思議としか言いようがない。経済学者や経営学者には「世間知らずの“タコツボ学者”」が多いと酷評する人もいるが、大きな声を出して国民の前に日頃の研究に基づいた提言を期待したいものだ。

(S・K記)

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