『たばこ屋のおばちゃんは街の灯台』
八戸たばこ販売協同組合
松井フミ理事長

 昨年に創立60周年を迎えた当組合。たばこ税増税やタスポ導入、禁煙ブーム等の逆風の中、理事長に就任し3年目を迎えた松井フミ理事長に話を伺った。

○たばこをめぐる現状

▲事務所写真
 「平成20年のタスポ導入以来、コンビニが取扱商品を拡充させ、集客を図ってきたため、組合員の売上は激減しています。さらに、タスポ対応の自販機に買い換えた際の投資も足かせになっています。組合員数も今年1年間だけで60名の脱退になりそうです」、と厳しい現状を語る。そんな中、平成19年に理事長に就任して、まず取り組んだことは、組合事務所の大掃除である。「組合の基本は『輪』と『和』だと考えています。この二つの『わ』を大きくしていきたい。そのためには販売店が組合を中心にもう一度結束しなければならない。最初に思いついたことは、組合員が気軽に立ち寄れる事務所にするための大掃除でした」、という。

○スモーキングクリーン事業の取り組み
 スモーキングクリーン事業は、組合女性部が中心となって中心街区のゴミ拾いを行っている。「たばこで商売している以上、当然に喫煙者のマナー意識向上にも取り組まなければなりません。年間18回の実施は大変ですが、今後も継続していきたい」、と語る。

○専門性を高めてコンビニと差別化を

▲葉巻写真
 松井理事長は10年以上前に、ヨーロッパ諸国の葉巻メーカーや工場を視察している。「たばこや葉巻の専門知識を高めたかった。実際に葉選びから、乾燥、熟成させる手作りの工程を体験し、ヨーロッパでの葉巻の歴史の深さを実感しました」。その後、フランスの葉巻メーカーから当時の日本では17人しかいない「シガーマスター」の認定を受けている。「健康志向で禁煙する人が増加していますが、愛好者の方にもっと喜んでもらうため、専門性を活かした提案もしていかなければならないと考えています」、と手巻きたばこやパイプの吸い方の講習会を開催している。

○組合の存在意義を共有
 組合の重要な役割の一つが未成年の喫煙防止への取り組みである。「県警や教育庁等の関係機関と定期的に意見交換をしています。タスポ導入により、未成年者がたばこを購入することはできない状況になりましたが、警察の方は、最近は親が子供にタスポを貸す事例が多いとおっしゃっていました。昔は『たばこ屋のおばちゃん』といえば、他人の子でも悪さをしていれば怒るのは当然。道を聞かれることも、「美味いラーメン屋どこ?」って話しかけられることも多い。これからのたばこ屋の役割はいい意味での回帰だと思います。たばこ屋は『街の灯台』として誰にでも声をかけられる存在だし、信用のある地元の人間です。あいさつや声かけを通じて地域のコミュニティの中心的な役割を担っていきたいと考えています」、と意気込みを語った。

八戸たばこ販売協同組合
組合事務所
青森県八戸市城下3-13-7
電話
0178-22-2355
設立年月日
昭和24年1月
組合員数
468名
出資金
16,683千円
理事長
松井フミ

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