建設業者による県産品の販路拡大への取り組み
エイシー・ネット協同組合
冨田名重 理事長

 当組合は、平成19年2月、建設業の新分野進出の一環として、青森県内の建設業者ら6社で設立。県内の農林水産物や加工品等の国内外への販路開拓を図るとともに、消費者ニーズに基づいた新商品の開発を行っている。組合設立の経緯から今後の展望について、冨田理事長にお話を伺った。

○海外市場がターゲット
 設立の経緯について伺うと、「当組合の主な構成メンバーである建設業を取り巻く環境は、公共事業の削減、民間需要の減少、価格競争の激化による利益率の低下等、大変厳しい状況下にあります。一方、建設業者による新たな取り組みとして、農業分野等への進出が話題となっていますが、採算面やノウハウ不足、既存システムが足かせとなり、国内での成功事例はまだ少ないのが現状です。そこで我々は安心・安全かつ品質の高い本県のりんごやナガイモなどの農林水産物の販路開拓として海外市場をターゲットとしました。」とのこと。

○世界金融危機の影響
 設立当初からアラブ首長国連邦を核としたペルシャ湾岸6カ国を主な販売先としていたが、その理由について伺うと、「安全で高品質な日本の農林水産物は中東の富裕層に人気があり、我々の想像以上の価格で売買されています。一昨年前に中東ドバイで開催された食品見本市に組合で出展した際、その反響の凄さを肌で感じました。しかし、昨年来の世界金融危機の影響でこれらの国々も大きな痛手を被ったことから、現在は販路先を中国・台湾等の新興国に変更し、国内の大手商社や現地バイヤーと連携した市場開発に努めています」と苦笑い。

○NPOとの連携による新商品の開発
  「昨年5月より、NPO法人あおもりみなとクラブが運営する「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」とタイアップして、“八甲田丸カレー”を限定販売しております。具材は平舘産海峡ほたてと県産米「まっしぐら」、県産ニンジンなど県産品にこだわっておりホタテブイヨンから丁寧に作り込んでいます。仕込みに時間がかかるため、1日20食しか提供できませんが、ホタテと濃厚なルーのコラボが大変好評です」と笑顔。

○今後の抱負について
 「当組合には建設業のほか、ホタテをはじめとする鮮魚等の食品卸・小売業者やヒバ材関連製品を扱っている組合員もいることから、今後とも様々な県産品をPRして販売に繋げていきたい。また、県内農家からの直接買い付けによる海外市場向けの独自ルートも構築中で今年度中には稼働させたい」とのこと。
  「青森市には観光客向けの目玉商品が少ないことから“八甲田丸カレー”を商標登録して認知度を高め、お土産用にご当地限定レトルトカレーも開発して東北新幹線新青森駅開業前に商品化するのが夢です」と熱い。

エイシー・ネット協同組合
組合事務所
〒030−0861 青森市長島2丁目10番4号
電話
017−735−2150
FAX
017−735−2151
設立年月日
平成19年2月8日
組合員数
6名
出資金
1,200,000円
理事長
冨田 名重

バックナンバー トップへ戻る


コラボ・みちのく中央会
〒010-0923 秋田市旭北錦町1-47
Tel:018-863-8701 Fax:018-865-1009
post@chuokai-akita.jp