どんな形状も作り上げる空間・芸術作品のテント
青森県テント・シート工業組合
理事長  大橋 邦一

○組合の経緯
 組合は殆どの県にあり、東京に全国連があります。各県とも長年、任意組織として活動していましたが、設立当時、一斉に法人組織にしたと聞いています。当初は、帆船に使う綿帆布(ズック)を使った製品づくりが主で、リュックや袋物、トラックの幌、商店の日除け、天幕(集会用テント)、工事用シートなど、ミシンで作り上げる商品ばかりでした。昭和50年を境に、素材が綿帆布から化学繊維へと移行するに伴い、作業もミシン縫製から、熱溶着や高周波溶着へ移行するなど設備や技術も高度となり、取扱製品も多様化していきました。オーニング(可動式テント)やワンタッチテントの出現がいい例でしょう。ただ、東京ドームのような大規模膜構造(建築物)の出現は、企業間格差を拡大しました。企画から設計までというと、我われのような零細企業ではたちうちできません。また、中央の大規模業者による既製品や外国からの輸入品の出現は、我われの取引を制約することにもなり、売上が年々減少しました。組合員の高齢化もあり、組合員数も半減しましたが、我われの取扱商品の殆どが受注生産であることを考えれば、生き残れる余地は十分あります。

○青年部
 当組合には青年部があります。遡ること20年前の昭和63年、青函博覧会が開催され、土偶をイメージした大型エアードームが青森会場に設置されました。その時に、先代理事長(初代青年部会長)が、「これからのテント・シートの業界は、特殊な技術や知識が必要になる。それには人的交流が不可欠」と青年部の前身となる「わげもの会(=若い者会)」を7人で立ち上げました。平成4年に正式な青年部となり、その後、青年中央会にも入会しました。活動内容は、年数回の技術研修で、板金の煙突技術の習得や応用、キャンバスフェアへの参加などでした。平成11年に、国家資格である帆布技能士を養成しようということになり、第1回目は、大阪の卓越技能士(技能グランプリ審査委員長)を講師に招き、実技・学科試験対策研修会を開催し、8人の技能士が誕生しました。当時勉強して1級技能士になったメンバーが、代々講師役となり、これまで、厚生労働大臣認定1級12名、県知事認定2級10名を輩出しています。

○ホームページの開設
 昨年、中央会のWeb構築支援事業で、組合HPを開設しました。組合概要、製品案内、Q&A、写真・資料等を掲載しましたので、是非ご覧になってください。この間、閲覧した方から勉強会の資料を欲しいと問い合せがあり、制作してよかったと実感しています。これまでパソコンは、仕事のデータ管理を主体にしていましたが、イラストレーターやフォトショップのソフトを使ってグラフィック面で活用する機会が増えていますし、お客さまへのプレゼンにパソコン画面の活用を今後検討したいと考えています。

○今後の展開
 職人の技術はトップシークレットと考える方もいますが、業界の発展を考えれば、オープンにして若い人の技術のレベルを高め、テント・シート業界全体の底上げをはかる事が必要です。そのためには、あくなき知識欲と職人としてのプライドを持って仕事にあたってもらえればと思います。これまで、他社の職人同士との交流の場がなかったので、これからは組合主催の交流の場を設け、互いの技術や情報を交換し、切磋琢磨していきたいと考えています。

ご意見・ご要望は
青森県テント・シート工業組合
〒031-0056 八戸市新荒町14番地 (株)ダイカツ内
TEL 0178-44-2253  FAX 0178-43-8682
URL http://www.jongara-net.or.jp/~tentsheet/

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