日本列島組合探険隊
地域資源を活用した
事業展開
地域住民が組織した企業組合で温泉施設を運営管理
〜黒崎温泉企業組合(岩手県)〜
◆背景と目的
 陸中国立公園の黒崎仙峡に温泉が湧出、そこに陸前高田市が「黒崎温泉保養センター」を建設し、平成16年4月にオープンした。この施設の指定管理者として、温泉地の地域住民が組織した当組合に委託されることとなり、管理運営を始めた。
 陸中国立公園の太平洋を眼下に見下ろし、天然温泉や周辺に豊富な漁業資源、歴史ある地元神社等を有する当組合は、地域経済と地域コミュニティの活性化の一躍を担っている。
◆事業・活動の内容
 組合では施設を魅力あるものとするため、地元の漁協や園芸生産組合、高等学校などと連携して物産販売を併せて行ったり、固定客を増やすため、定期巡回送迎バスの運行やポイントカードの発行、イベントの定期的な開催のほか、地元民宿、自動車学校などと連携し、入浴客の増加に努めている。
 特産品として、わかめの粉末を使ったラーメンやアイスクリームの開発、イベントとしては、抽選会やビヤガーデンの開催、正月の甘酒、カニ汁の無料サービスなど、多彩かつきめ細かい活動を展開している。
◆成果
  年間約6万人の利用客があり、入湯税を市に納めている。また、従業員(役員含む)15名の新たな雇用の場を提供し、地域の特産品の販売や経費の支払いを通じて、地元への直接的な経済効果を生み出している。
 また、近くに歴史ある黒崎神社があり、例大祭には多くの観光客で賑わうため、交通が規制され観光客の足の確保が課題となったが、組合のマイクロバスを無料シャトルバスとして提供することにより、関係者から高い評価を得ている。


【組合の概要】
所在地:岩手県陸前高田市広田町字黒崎9-41
電 話:0192-57-1126
設 立:平成16年11月
組合員:19名
URL:
http://www.city.rikuzentakata.iwate.
jp/kakuka/kurosaki/

地域資源を活用した
事業展開
地域女性が地元農産物を特産品として開発販売
〜南アルプス市特産品企業組合・ほたるみ館(山梨県)〜
◆背景と目的
 当組合がある南アルプス市は、フルーツのまちである。当組合は、生果として出荷できない二級品の桃やさくらんぼ等の利活用を図るため、ジャム作りなど、特産品の開発と販売の事業化を進めてきた。また、遊休農地が増えてくる中で、野菜の栽培を目指し圃場の整備を図っている。野菜は、朝市の開催や漬物・惣菜等に加工し、特産品として販売している。これらの活動を通して、地域女性が地域農業の振興の一端を担うことを目指している。
◆事業・活動の内容
 南アルプス市で栽培されている果実や野菜を加工して、ジャムや漬物等の特産品として販売している。農家の女性を中心とする生産部、加工品を開発・生産する加工部、組合が指定管理者となっている施設で販売に従事する販売部に分かれ、得意の分野で活動をしている。生産部に所属する組合員は、農産物を納入すると収入になり、加工部の組合員は、特産品が販売されると収益が還元される。
 広く組合の活動を知ってもらうため、市で開催される各種イベントに出展等を行っている。また、市内の小中学校給食への食材提供、総合学習の一環として生徒の味噌作り体験等を開催している。
◆成果
 組合発足から3年目の平成18年度は、当初の事業収入より約25%上回る実績を上げた。この要因は、組合の活動拠点である農村活性化施設「ほたるみ館」が、市から委託を受け組合が指定管理者となり、その収入により財政基盤が安定してきたことである。
 さらに、イオングループのスーパーと取引きが始まり、魅力的な販路を手にした。これを足がかりに、一層の販路拡大が期待される。


【組合の概要】
所在地:山梨県南アルプス市平岡1210-1
電 話:055-284-7180
設 立:平成16年6月
組合員:137名
※本コーナーは、全国中央会が取り纏めた「先進組合事例」をもとに編集しています。



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