平成21年度税制改正の概要
〈中小企業関係税制〉

 1月9日付けで経済産業省中小企業庁から「平成21年度中小企業関係税制改正の概要」が発表されましたので、その中から主な内容についてお知らせ致します。

1 事業承継税制
○非上場株式等に係る相続税の軽減措置について、現行の10%減額から80%納税猶予に大幅に拡充を図るとともに、対象を中小企業全般に拡大(平成20年10月1日以後の相続から遡及適用)。
○平成21年度税制改正において、「猶予税額が免除される一定の場合の具体化」や親族に対する贈与税の納税猶予制度(平成21年4月1日以後の贈与から適用)の創設などを決定。
○相続のみならず生前贈与による株式の承継に伴う税負担を軽減し、事業承継の一層の円滑化を図る。
相続税の納税猶予制度の概要
○後継者(=相続人。先代経営者の親族。)が、株式の相続を受けた場合には、当該後継者の相続税の納税を猶予(相続前から後継者が既に保有していた議決権株式等を含め発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分)。
※後継者(事業承継相続人)の死亡以外の場合で、猶予された相続税額が免除されるのは、次の場合。
(1)会社が破産又は特別清算した場合
(2)納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回る中、事業を継続するため、当該株式を譲渡した場合
(3)次の後継者に納税猶予対象株式を贈与して、事業の継続を図る場合
贈与税の納税猶予制度の概要
【平成21年度税制改正において創設が決定】
○後継者(=受贈者。先代経営者の親族。)が、一括で自社株式の贈与を受けた場合には、当該後継者の贈与税の納税を猶予(贈与前から後継者が既に保有していた議決権株式等を含め発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分)。
○なお、基本的に、適用要件は相続税の納税猶予制度におけるものと同様である。【平成21年4月1日以降の贈与から適用】

※ 事業承継については、本誌の平成20年12月号で特集しておりますので、ご参照下さい。

2 中小企業対策税制【生活対策】
@中小企業に対する軽減税率の時限的引下げ(法人税)
年800万円以下の所得に対する法人税の軽減税率を22%から18%に引下げ(2年間)

中小法人等の軽減税率引下げの概要
対 象
現行制度の税率
引き下げ後の税率
大企業
資本金1億円超
所得区分なし
30%
30%
中小企業
資本金1億円以下
年所得800万円超の部分
30%
30%
年所得800万円以下の部分
22%
18%
商工会、商工会議所、
中小企業等協同組合、
商店街振興組合など
所得区分なし
22%
22%
(年所得800万円超の部分)
18%
(年所得800万円以下の部分)
※ 協同組合等が連結親法人である場合の税率は、単体制度と同様に、年800万円以下の金額に対して19%(現行23%)に引き下げる。

A中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活(法人税)
 中小法人は、平成21年2月1日以後に終了する事業年度において生じた欠損金額について、欠損金の繰戻しによる法人税の還付を受けることができることとなる。

3 地域コミュニティを担う商店街の活性化に向けた税制支援の拡充
(所得税、法人税)

 「商店街の活性化に関する法律(仮称)」に定める計画に基づいて事業を行う商店街等に土地を譲渡した者に対して譲渡所得特別控除の適用を認め、空き店舗に係る土地の譲渡を促す。当該土地には、共同店舗を設置して魅力的な個店を誘致するなど、商店街の活性化の取り組みを促進する。

4 中小企業の地力の強化・新たな事業活動展開の支援税制の延長等
@中小企業の事業再生を支援する新たな認定スキームの創設に基づく税制措置(登録免許税、不動産取得税)
 産業活力再生特別措置法の改正により新たに「中小企業承継事業再生計画(仮称)」を創設し、「第二会社方式」によって事業の再生・継続を図ろうとする中小企業の計画を主務大臣が認定。認定を受けた計画に基づいて実施される事業譲渡や会社分割について、登録免許税及び不動産取得税を軽減する。

● 登録免許税(国税):下表の軽減税率を適用。
 
通常の税率
軽減後の税率
会社の設立、増資の登記
0.70 %※1
0.35 %※2
会社分割における資本金の登記
0.70 %※1
0.35 %※2
(資本金が増加(純増)しない部分の税率)
0.15 %※1
0.10 %※2
会社分割による不動産の所有権移転の登記
0.80 %※1
0.20 %※2
事業譲渡による不動産の所有権移転の登記
(土地)1.00 %※1
適用なし※2
(建物)2.00 %※2
1.60 %※2
※1 平成21 年度から適用予定の税率を記載している。
※2 土地については租税特別措置法第72 条により有利な税率が
設定されていることから(平成21 年度は1.0 %の予定)、
本件の軽減税率(1.6 %)は適用されない。

●不動産取得税(地方税):税額の6 分の1 を軽減。
 
通常の税率
軽減後の税率※3
事業譲渡(譲受け)による不動産の取得
(土地)3.00 %
2.50 %
(建物)4.00 %
3.33 %
※3 税額の6 分の1 を軽減した場合に相当する税率を記載している。

A中小企業の新たな事業活動を促進させる税制措置の延長(法人税、所得税)
 経営革新計画(根拠法:中小企業新事業活動促進法)、地域産業資源活用事業計画(同:中小企業地域資源活用促進法)、農商工等連携事業計画(同:農商工等連携促進法)の承認又は認定を受けた中小企業者等が取得する機械・装置について、特別償却(初年度30%)又は税額控除(7%)が認められている制度の適用期限を2年間延長する。

B中小企業に対する人材投資促進税制の延長(法人税、所得税)
 教育訓練費の増減に関わらず、その事業年度(単年度)の労務費に占める教育訓練費の割合が一定水準(0.15%)以上の場合には、当該教育訓練費の総額の8〜12%に相当する額を税額控除することができる制度を2年間延長する。

5 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制の拡充(法人税、所得税)
 現行の特別償却(30%)を、初年度即時償却(取得価額の全額(100%))ができることとし(2年間)、期限も2年間延長する(平成23年3月31日まで)。

6 地域や中小企業に配慮した企業再生税制の拡充等(法人税)
○中小規模再生特例の創設(資産評価差額の最低限度を引き下げ、専門家関与要件の緩和)
○企業再生税制の適用要件の緩和
 ・債務免除を行う者の対象範囲に「地方公共団体」を加え、「一以上の金融機関と地方公共団体が債務の免除をすること」を要件に加える。
 ・債務の免除要件を緩和し、DESを対象に追加。
○金銭債権を評価損計上対象資産に追加
○一定の企業再生における過去の仮装経理による減額更正額の還付制度への変更

7 その他の改正項目
(1)中小企業等基盤強化税制(法人税、所得税)
 卸売・小売及びサービス業の中小企業者が機械・装置や器具・備品を取得した場合に特別償却(初年度30%)又は税額控除(7%)の適用を可能とする中小企業等基盤強化税制について、適用期限を2年間延長する。
(2)中小企業等の貸倒引当金の特例(法人税)
 貸倒引当金の繰入れについて、通常の繰入限度額の16%分の割増しによる損金算入が認められている事業協同組合等に対する特例措置を2年間延長する。
(3)事業協同組合等の留保所得の特別控除(法人税)
 事業協同組合等の各事業年度における留保所得の32%相当額の損金算入が認められている特別控除制度について、対象となる組合を「設立後10年以内の組合」とした上で、2年間延長する。
(4)信用保証協会が受ける抵当権設定登記等の税率軽減(登録免許税)
 中小企業の資金調達コストを軽減し、中小企業金融の円滑化に資するため、信用保証協会の抵当権設定登記等に伴う登録免許税の軽減措置を2年間延長する。

※ 詳しくは、中小企業庁のホームページをご覧下さい。
 http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2009/090109KaiseiGaiyou21.htm



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