日本列島組合探険隊
組織・機能を
活かした事業活動
秋田県産原材料をフルに活用した独自商品の開発
〜秋田県パン協同組合(秋田県)〜
◆背景と目的
 組合員の主たる事業である学校給食のパンの需要が減少したことや児童数の減少(毎年5%)に伴い、売上が年々減少し、経営圧迫の一要因となっていた。このため、組合では学校給食の依存度を下げるべく、各工場の独自の技術ノウハウを活かし、組合員の売上確保と安定経営の実現を目指し戦略商品づくりに取り組み、一般ユーザー、特に固定ファンの拡大と経営の活性化、安定収益基盤づくりに取り組んだ。
◆事業・活動の内容
 組合では、秋田県産原材料(米粉、水、塩、酵母、卵)を使用した独自のメロンパンを開発し、統一レシピに基づく技術ノウハウの提供と販売実績づくりを行った他、青年部組織を中心とした研究開発検討会を定期的に実施した。
 また、工場直売、デパート・スーパーのイベント企画への参画、地域催事での販売等を行い、販売方法の研究や組合で保有する販促器具・備品(車輌、オーブン、天板、のぼり、ポール)を組合員に無料貸与した。
◆成果
 「秋田のメロンパン」は、催事、イベント等で県外デパート、スーパーへ積極的に出展し、好評裡に推移した。
 また、青年部を中心とした商品開発プロジェクトが先導役となって、組合員企業の意識改革、技術のレベルアップが図られた他、販売戦略、ノウハウを実践的に習得できた。
 組合では、秋田県の特産原材料を活かした独自のオリジナルブランド商品の開発を今後とも継続していくことにしている。


【組合の概要】
所在地:秋田市川尻御休町9-33
電 話:018-862-3566
設 立:昭和22年6月
組合員:27名

地域資源を
活用した事業展開
伝統工芸技術の継承と新商品開発による産業振興
〜タケフナイフビレッジ協同組合(福井県)〜
◆背景と目的
 産地の抱える問題点として、①旧態依然とした流通システム、②今日の生活様式に対応した商品開発力の欠如、③従事者の高齢化と後継者難等が顕著になり、産地自体としての対応が必要となっていた。しかし、組合員の高齢化と相俟って、新たな活性化への対応が必要となり、平成3年に若手事業者が中心となり、事業の合理化、新商品の開発などを目的とした組合を結成した。
◆事業・活動の内容
 主な事業は、①新しい組合ブランドの開発と共同生産、②共同工場に設置した共同販売場における組合員の製品の販売、③体験工房における一般顧客を対象とした打刃物体験、④その他の伝統産業PR等である。
 新商品、新ブランド開発にあたっては、県工業技術センターなど各種機関と連携、また始動を受けている。
◆成果
 新製品、新ブランドの開発が組合員の新しい事業展開への動機付けとなり、組合員個々の技術開発、商品開発、販路開拓などに結びついている。
 その結果、打刃物産業そのものに対する技術評価がなされ、国際見本市での受注など、産業全体の振興にも成果をあげている。
 打刃物体験工房は、打刃物に対する理解を深め、販売促進効果も得られている。また、地域の観光資源の一つとして観光客の誘致を行い、地域観光振興にも貢献しているほか、伝統産業に新規性を与えたり、打刃物に関心を持つ若者が後継者として技術習得を行うまでになっている。


【組合の概要】
所在地:福井県越前市余川町22-91
電 話:0778-27-7120
設 立:平成3年9月
組合員:7人
URL:http://www.chuokai-fukui.or.jp/~tkv/
※本コーナーは、本会の平成20年度組合資料収集加工事業対象組合及び全国中央会が取り纏めた「先進組合事例」をもとに編集しています。



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