2008年版 中小企業白書のポイント Part2

第2部 中小企業の生産性の向上に向けて
 第2部では、今後、日本社会の少子高齢化が一層進展し、労働力人口が減少していく中で、中小企業が利益を確保し、持続的な発展を遂げていくためには、中小企業の労働生産性の向上を図ることが重要であり、こうした観点から、中小企業の労働生産性の現状を示すとともに、中小企業の労働生産性の向上を図る上で重要な取り組みが分析されております。

第1章 中小企業を巡る構造変化と生産性
労働力人口の減少が予測されており、持続的な経済成長のためには労働生産性の向上が不可欠である。
図−1 将来人口の推計
資料:総務省「国勢調査」、
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2006年12月推計)」
(注) 将来推計人口は、出生中位(死亡中位)推計による。
※ 労働生産性 = 付加価値額/労働投入量(労働時間または従業員数)

日本の労働生産性は、米国の7割程度であり、G7の平均よりも低い。労働生産性の向上が課題である。
図−2 2006年の各国労働時間当たりGDP
資料:OECD「Productivity Database」より中小企業庁作成

大企業と比べて、中小企業の労働生産性の水準が低い。業種別では、大企業・中小企業ともに小売業や飲食業、宿泊業の労働生産性の水準が低い。
図−3 労働生産性の水準
資料:経済産業省「企業活動基本調査」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」再編加工
(注) 2005年度における労働時間1時間当たりの付加価値額を示している。

第2章 経済のサービス化と中小サービス産業
経済のサービス化が進展しており、就業者数も上昇傾向にある。
図−4 産業別就業者比率の推移
資料:総務省「労働調査」(1990〜2007年)
(注) 1. 第一次産業とは、「農林業」および「漁業」の合計とした。
 第二次産業とは、「鉱業」「建設業」および「製造業」の合計とした。
 第三次産業とは、「農林業」「漁業」「鉱業」「建設業」および「製造業」を除く産業とした。
2. 2002年以前は旧産業分類に基づくものであり、2003年以降とは時系列的に接続はできない。

労働生産性が高い企業ほど業況感が良いとする企業が多い。
図−5 労働生産性と業況感
資料:中小企業庁「サービスの生産性向上に関する実態調査」(2007年11月)
   中小企業庁「中小企業実態基本調査」(2007年9月)
(注)労働生産性=付加価値額(円)÷労働投入量(人・時間)

○これまでの経営戦略としては、規模拡大を重視してきた企業の割合が高かったが、今後の戦略としては、付加価値向上を重視する企業の割合が増えている。
図−6 重視する経営戦略の変化
資料:(株)野村総合研究所「商品・サービス品質向上の取組に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注) 統計には、主な顧客の属性を「その他」または「分からない」、無回答とした企業を含む。

○経営戦略に関する取り組みとして、顧客ニーズの定量的な分析・把握を重視している企業ほど、業況感を良いとする企業の割合が高い。
図−7 顧客ニーズの分析・把握と業況感
資料:(株)野村総合研究所「商品・サービス品質向上の取組に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注) 全体には、「顧客ニーズの定量的な分析・把握」の重視度について、無回答であった企業を含む。

○顧客ニーズの把握やターゲットの明確化といった「顧客」に視点をおいた取り組みを特に重視している企業の割合は低い。
図−8 経営に関する取組の重視度
資料:(株)野村総合研究所「商品・サービス品質向上の取組に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注) 1. それぞれの項目に対する重視度に対する設問に対し、「とても重視する」と回答した企業の割合。
2. 複数回答のため合計は100とならない。

第3章 中小企業によるITの活用
○ITが普及する中で、企業を取り巻く経営環境も変化している。しかし、大企業に比べて中小企業ではITの広まりがもたらしている経営環境の変化への認識が弱い。
図−9 インターネット普及率の推移
資料:総務省「通信利用動向調査」
   http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/field/tsuushin01.html
(注) 各年年末の数値。

図−10 ITの普及に伴う経営環境の変化
資料:三菱UFJサーチ&コンサルティング(株)「ITの活用に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注) 1.複数回答のため合計は100を超える。
2. ここでの中小企業とは、従業員300人以下(卸売業、サービス業では100人以下、小売業では50人以下)の企業を指し、大企業とは、中小企業以外を指す。
3. 「モジュール化」とは、IT活用の能力の差によって生じる事業機会等の格差のことを指す。

○製造業・非製造業のいずれも、比較的小規模な企業でパソコンが装備されていないところが目立つ。
図−11 パソコンの装備状況
資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「IT活用に関するアンケート調査」(2007年11月)

○中小企業にとって、ITを有効活用する際の大きな課題は、人材の確保と投資コストの負担である。
図−12 中小企業におけるIT投資やITの活用における課題

資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「IT活用に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注) 1.複数回答のため合計は100を超える。
2.ここでの中小企業とは、従業員300人以下(卸売業、サービス業では100人以下、小売業では50人以下)の企業を指し、大企業とは、中小企業以外を指す。

第4章 中小企業のグローバル化への対応
○日本の輸出入は拡大のテンポを強めており、主にアジアが牽引している。中小企業においても、売上高に対する輸出の比率が上昇するとともに、最近は輸出を行う企業の方が業況感が良い。
図−13 中小製造業における輸出額と対売上高輸出割合の推移

資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(注) 1.ここでの中小企業は、資本金2千万円以上、1億円未満の会社企業を指す。
2.輸出は直接輸出だけでなく、間接輸出も含んでいる。
3.2004年3月から調査方法が変更。このためグラフが不連続になっている。

図−14 輸出業務の有無別中小企業業況判断DI

資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」再編加工

海外展開を行う中小企業数は増加傾向にあり、特に最近では非製造業の伸びが大きく上昇している。
図−15 海外展開を行う中小企業数の推移

資料:総務省「事業所・企業統計調査」再編加工
(注) 1.海外に子会社もしくは関連会社を保有している法人企業を算出した。
2.(  )内は製造業・非製造業別の1996年、2001年を基準とした伸び率の値。

○輸出業務を現在実施している企業は、海外製品との競争激化や為替変動への対応を課題として挙げている。
図−16 中小企業の輸出業務を実施する際の課題(輸出実施企業)

資料:(株)野村総合研究所「グローバル化における経営環境の実態に関するアンケート調査」(2007年12月)
(注) 複数回答のため、合計は100を超える。


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