原油価格の上昇による影響に関する追跡調査結果について
 昨年12月より情報連絡員の皆様のご協力を頂き原油価格の上昇による影響に関する調査を実施しておりますが、この度今年8月に実施しました調査分の結果がまとまりましたので、過去2回の調査と併せてご紹介いたします。(今回調査日:平成18年8月25日、調査対象組合80組合)

1 収益面での影響について
 収益面での影響について、改善の傾向は見られず、ほとんどの業界が影響を受け続けている。特に、燃料費が経費の高いウエートを占める運輸・輸送業界においては苦しい状況を強いられている。

2 価格への転嫁について
 製品等の価格への転嫁については、「一部転嫁している」が微増しているものの、依然「全く転嫁できていない」業界が大半を占める状況が続いている。

3 組合としての対応について
 6割近い組合から、「対応している」、または、「対応を検討中」との回答が得られた。具体的な対応としては、「仕入れ先への価格据置、また、納入先への値上げ要請・交渉等」、「軽油引取税(7円80銭部分)の一部凍結」、「外注運搬を少なくする」、「重油ボイラーから木屑焚きボイラーへの切り替え」、「発電機仕様を重油から電気への切り替え」等が挙げられた。


■バイオディーゼル燃料(BDF)の普及を目指して■
〜秋田運送株式会社での取り組み〜

【秋田運送株式会社】
◇所在地 秋田市外旭川字水口155-1
◇TEL 018-824-1081
◇代 表 代表取締役社長 石田哲治(秋田県中央トラック事業(協)理事長)

きっかけ

左側がBDF用タンクでヒーターが設置され、全て社内で製作。右側が軽油用。

BDF燃料エンジンテスト車もオリジナル。このテスト車で様々な試験を繰り返す。
 約2年半前、石田社長が減反政策で増えた休耕田を利活用する方法として、菜の花を植え、採れた菜種油からBDFを製造することを発案。BDF先進国ドイツを手本に取り組みを開始した。

■取り組み状況
 開始当初は、植物油とアルコールの配合比や諸条件が分からず、失敗も多かったが、石田社長を中心に全て社員だけで研究・試験を繰り返し、最近では安定した品質のBDFを得られるようになった。
 1年ほど前から、自社のトラックでBDFの使用を開始した。同社は、軽油にBDFを混合するのではなく、100%のBDFをそのまま使用する方法であるためトラックには、軽油用とは別に、BDF用タンクが積み込まれている。
 トラックの運転手からは、出力面や燃費面、また、煙やにおいなどといった点についても軽油と同等以上との評価を得ている。
 また、コストについては、大凡で軽油の半分程度という結果が得られており、今後環境面だけでなく、経済面でのメリットという点についても、大きな期待がよせられる。

■今後の課題
 現在同社では、1日約2,000リットルのBDFを製造しているが、同社が1日に使用する燃料の半分にも満たない。さらに、菜種油の供給量が十分でないため、今は主原料として食用の廃油を用いている状況であり、今後使用を拡大する上で、如何に原料となる菜種油を確保し、工業ベースに乗せていくかが課題である。
 そんな中、石田社長は、県内の運送会社や農家、学識経験者などでつくる「菜の花ネットワーク」の代表を務め、休耕田の利活用手段として、また、BDFの原料としての菜の花の有用性を啓蒙しながら、経済活動の活性化と資源循環型の社会の実現を目指している。

バイオディーゼル燃料(BDF)とは
 植物油にメタノールを加え、メチルエステル化した燃料。
 バイオエタノールと並んで化石燃料に代わるCO2ゼロの持続的利用可能なバイオ燃料(植物性の物質を利用して作られる自動車用の燃料)として注目されている。



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