年頭に当たって

全国中小企業団体中央会
会長 佐伯 昭雄

 明けましておめでとうございます。
 平成18年の年頭に当たり、全国の中小企業の皆様並びに中小企業組合等中小企業団体の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 顧みますと、昨年の我が国経済は、全体としては明るさが見えてきたと言われたものの、原油価格の高騰や海外経済の動向など、先行き不安定要因を抱え、長期にわたるデフレの影響等により、地域中小企業をめぐる経営環境は依然として厳しい状況下で推移いたしました。
 そのような中、三位一体改革により平成18年度より中小企業関係の都道府県向け国庫補助金廃止と都道府県への税源移譲が決定され、また、政策金融改革により商工中金の完全民営化の基本方針が決定されるなど、特に、地域中小企業に大きな不安を与える状況が現出するなど、依然として先行きが見えない極めて厳しい状況のまま新年を迎えることとなりました。
 一日も早く景気回復の効果が広く我が国全体に及ぼされ、中小企業が元気を出して頑張れるような政策展開が何よりも求められており、また、全国の中小企業がどの地域においても政策支援が受けられるよう万全の措置が採られることが必要不可欠であります。
 このような状況下、今まさに、中小企業組合等中小企業団体が果たすべき役割に対する期待はますます大きくなってきております。
 例えば、国を挙げて世界最高水準の科学技術創造立国の実現、とりわけ、産学官連携の強化が重要課題とされる中、これを広汎に推進していくためには、より多くの中小企業が大学・研究機関や地元の自治体との連携を大きく進めていく必要があり、その際、中小企業組合を連携の中核に位置づけることが極めて有効であります。
 また、我が国の製造業の国際競争力を支えているまさに国の礎である中小製造業(サポーティング・インダストリー)に対する新たな総合的支援施策の展開が期待されるところであり、その際、中小企業組合等の連携組織がリーダーシップを発揮し、積極的に役割を果たしていくべきであると考えております。
 さらに、自然災害などの不測の事態が発生した場合の事業の継続性・早期復旧を担保するための「事業継続計画(BCP)」策定の必要性が叫ばれておりますが、相互扶助の精神に基づく中小企業組合こそこれを担っていく組織としてふさわしく、今後の積極的な取組みが期待されております。
 今年こそ、日夜懸命な経営努力を続けている中小企業が報われ、希望の光が燦々と差し込む年としたいものであります。
 全国中央会は、中小企業組合運動の中核的組織体として、47都道府県中央会とともに、全国4万を数える中小企業組合等中小企業団体と一層連携を深め、中小企業の皆様のご期待に応えるため、その先頭に立って全力を傾注して参る所存であります。
 中小企業組合等中小企業団体の皆様におかれましても、中小企業の発展のため共に力強く邁進いただきますようお願いいたしますとともに、本年が皆様にとって明るい年となりますよう心からご祈念申し上げ、年頭に当たってのご挨拶といたします。

平成18年 元旦



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