特別寄稿 産業経済労働部長就任に当たって

秋田県産業経済労働部
部 長  佐 藤 文 一
 5月9日付けで秋田県産業経済労働部長に就任いたしました佐藤です。この1年の間、産業経済労働部次長を務めておりましたが、この間、秋田県中小企業団体中央会の皆様には県政の推進にご理解・ご協力頂きましたことを心よりお礼申し上げます。
 小職、この5月末で秋田での生活が丸1年となりました。お陰様で、例年になく雪の多かったこの冬も含め、秋田のすばらしい四季を楽しませて頂いたところです。今、改めて、秋田に残されている豊かな自然を再認識するとともに、この豊かな秋田の将来の可能性について、今一度、大きく夢と希望をふくらませています。
 最近の世界の潮流を見ますと、地球環境問題などへの関心の高まりの中で、経済・社会の成長至上主義の時代から、「持続的発展」の実現へと人々の意識が大きく変化してきているような印象を受けます。私たちは、私たちの後生の世代に、物質的な豊かさだけでなく、美しい自然・環境、美しい日本を残していく義務があるのだと思います。
 その点、秋田には、「日本の原風景」とも言えるすばらしい自然・環境があります。この豊かな環境を残しつつ、秋田を発展させることができれば、秋田は、日本、さらには世界の中で、1つのモデルとなることができるのではないかと考えています。
 もちろん、秋田の直面する現状は、決して良い点ばかりではありません。グローバル化の問題、雇用の問題、高齢化の問題など、数多くの課題が山積しています。また、直近の県内経済動向は、一部の業種には明るさが見られるものの、建設業や中小小売業などでは依然として低迷が続くなど、必ずしも楽観できる環境にあるわけではありません。
 このような中、この一年、小職も産業経済労働部の一員として、秋田の強みを活かした産業の振興を目指して、各種施策の提案・実行を進めてきたところです。まず第1には、秋田県内にある企業の皆様が、元気に活き活きと活動できる環境を作ることが何よりも大切との観点から、県の企業支援機関である「あきた企業活性化センター」(旧あきた産業振興機構)に企業支援関連業務を集約し、ワンストップセンターとして、企業が行う研究開発、事業化・販路拡大まで発展段階に応じて総合的な支援を行うことができるよう組織改編を行いました。
 また、部内に誘致企業室を設け、企業誘致を積極的に推進するとともに、誘致済み企業の皆様をこまめにフォローさせて頂くこととしております。さらに、「若年者ワンストップセンター」及びそのサテライトの設置による雇用の促進、活き活き物産応援チームによる秋田県物産の県外への販売促進、高度技術研究所(AIT)による地域結集型共同研究事業の推進など進めております。
 しかし、いずれにしましても、本県経済の中核を担うのは、県内企業の皆様であり、正に、中小企業団体中央会の皆様です。皆様におかれましては、企業組合による新規創業も含めた新規成長分野における組合の設立促進、環境変化に対応した企業連携の強化などを図りながら、本県経済の活性化の先導的役割を果たして頂くよう心から期待しております。
 県としても、今後とも中小企業団体中央会の皆様と連携を強めながら、元気のある産業づくりや、やる気のある企業支援等、本県の中小企業振興のための各種施策・事業を積極的に展開してまいりたいと考えておりますので、引き続き御支援・御協力をお願い申し上げます。



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