年頭に当たって

全国中小企業団体中央会
会長 石川 忠

 明けましておめでとうございます。
 平成17年の年頭に当たり、全国の中小企業の皆様並びに中小企業組合等中小企業団体の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 顧みますと、昨年は、倒産件数は減少傾向を示したものの、多くの中小企業は依然として収益低迷と過剰債務に悩まされ、倒産リスクが解消されないままに推移し、失業率が依然5%に近い水準で、また、完全失業者数も300万人を超えるなど不安定な経済社会状況で推移いたしました。また、昨年は、過去最高を数える台風の上陸、新潟県中越地震の発生と、正に天災に明け暮れた一年でありました。さらに「国から地方へ」、「官から民へ」の方針の下、地方分権と財政再建を同時に目指し、国庫補助金、税源移譲、地方交付税の三位一体の改革の議論が進められるなど、特に、地域中小企業に不安を与える動きが活発化した年でもありました。
 依然として続く長期にわたるデフレ不況、円高の進行下、先行きが見えない極めて厳しい状況のまま新年を迎えることとなりました。
 このような環境下においては、一日も早く景気回復の効果が広く及ぼされ、中小企業が元気を出して頑張れるような政策展開が何よりも不可欠であり、また、全国の中小企業がどの地域においても政策支援を受けられるよう十分な環境を整えることが重要であります。
 また、現在、国を挙げて世界最高水準の科学技術創造立国の実現、とりわけ、産学官連携の強化が重要課題とされる中、これを広汎に推進していくためには、より多くの中小企業が大学・研究機関との連携を大きく進めていく必要があり、その際、中小企業組合を連携の中核に位置づけることが極めて有効であると思います。
 いずれにしても、今年こそは、日夜懸命な経営努力を続けている中小企業が報われ、希望の光が燦々と差し込む年としたいものであります。
全国中央会は、「行動する中央会」、「提案する中央会」として、また、中小企業組合運動の中核的組織体として、47都道府県中央会とともに、全国4万を超える中小企業組合等中小企業団体と一層連携を深め、中小企業の皆様のご期待に応えるため、その先頭に立って全力を傾注して参る所存であります。
 中小企業組合等中小企業団体の皆様におかれましても、団結を第一に、中小企業の発展のため、共に力強く邁進いただきますようお願いいたしますとともに、本年が皆様にとって明るい年となりますよう心からご祈念申し上げ、年頭に当たってのご挨拶といたします。

平成17年 元旦



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