本会東海林会長などに仕事と子育ての両立支援を要請
〜寺田秋田県知事・市川秋田労働局長来館〜

 去る10月27日(月)、寺田秋田県知事や市川秋田労働局長など行政機関の代表らが秋田県商工会館を訪れ、「仕事と子育ての両立支援に関する要請書」を本会東海林会長を始めとする経済団体の代表などに手渡した。
 懇談の中で寺田知事は、「本県の人口千人当たりの出生率は8年連続して全国最下位となっている。本年7月16日には次世代育成支援対策推進法が公布された。少子化対策を一層実効あるものとするためには、男女共同参画社会の実現など、今の社会の仕組みを変えていくことが必要であり、行政や企業、地域社会が一体となって取り組むことが重要」と述べ、経済団体の積極的な対応を要請した。
 東海林会長は、「現在、若い世代に子育てをする喜びが希薄になっているのではないか。また、結婚しても20代の給与所得が低く、共稼ぎに頼らざるを得ない状況にあり、その意味でも託児所など子供を安心して預けられる施設の整備などが急務ではないか」と行政側に要望した。

仕事と子育ての両立支援に関する要請書

 急速な少子化の進展は、労働力人口の減少、社会保障財政への影響、家庭や地域における子どもの育成環境の変化など、将来の我が国の社会経済に大きな影響を及ぼすものであると危惧されています。
 本県では、平成14年の出生数が8,456人と、平成7年以降一万人を割るとともに、人口千人あたりの出生率は、7.2と全国平均の9.2を大きく下回り、平成7年から8年連続して全国最下位となっています。
 また、労働者が子どもを生み育てながら働き続けることを希望しつつもそれをためらう要因の一つとして、仕事と子育てとを両立しやすい職場環境が充分に整備されていないことがあり、少子化が急速に進んでいる本県において、仕事と子育ての両立支援は、次世代育成支援対策を推進する上での重要な課題となっています。こうした状況の中、平成15年7月16日、次世代育成支援対策推進法が公布されました。この法律では、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備を進めるため、国や県、市町村による取組とともに、事業主も、従業員が仕事と子育ての両立が可能となるように必要な雇用環境の整備等を進めるための行動計画を策定し、それを着実に実施することとされております。
 秋田県及び労働局と致しましては、少子化対策をより実効あるものとするため、今後とも次世代育成支援対策推進法の周知を図るとともに、仕事と子育ての両立支援対策をより一層推進してまいります。
 このような少子化問題を解決するためには、男女共同参画社会の実現など、根本的には、今の社会の仕組みを「子どもを生みたいと思える社会」に変えていくことが必要であり、特にまた、行政や企業、地域社会が一体となって、社会全体で子育てを支える「育児の社会化」の観点に立って取り組むことが重要と考えております。
 つきましては、貴団体におかれましても、これらの趣旨を何卒御理解の上、子育て期にある労働者が、子育てに必要な時間を確保できるよう、労働時間の短縮や、多様な働き方の実現など、男性を含めた働き方の見直しのための取組を進めるとともに、育児休業の取得の促進等、職業生活と家庭生活の両立を図ることができる雇用環境の整備に努められるよう、傘下の企業に周知して下さるようお願い申し上げます。
 なお、次世代育成支援対策法の概要については、こちらに掲載しています。



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