平成14年度労働事情実態調査から
             〜集計速報版〜


 14年度の調査が終了しました。回答率はほぼ昨年並の53.1%。
 詳細な調査報告書は全国のデータがそろう12月のはじめに発行を予定しておりますが、昨今の厳しい経済環境を考慮し、本会では緊急に県内の回収データを独自に集計・分析、速報版として主要な項目についてお知らせ致します。
 昨今の県内の労働事情を知る上で、あるいは企業経営の参考にしていただければ幸いです。



I 経営状況
 現下の経営状況については「悪い」が63.3%と最も多く、「良い」は4.7%に止まった。これを前年調査と比較すると「悪い」は0.9ポイント減少、又、「良い」は0.9ポイント増加した。
「前年と変わらず」は32.0%となっているが、昨年も経営状況を「悪い」と答えた企業が64.2%あったことを考慮すれば県内の経営環境は引き続き厳しい環境下にあるといえる。

II 経営上の隘路
 隘路のトップは「販売不振・受注の減少」で69.1%、次いで「同業他社との競争激化」(67.2%)、「製品価格(販売価格)の下落」(37.1%)、「納期・単価等の取引条件の厳しさ」(22.3%)の順となっている。
 なかでも「販売不振・受注の減少」は平成10年度から66.9%、63.9%、58.0%、71.4%、69.1%と連続して隘路項目のトップを占めている。

III 雇用調整について
 昨年7月以降、雇用調整を実施した企業は27.4%、内容としては「正社員の解雇」「臨時・季節・パート労働者の再契約中止・解雇」「残業規制」などが主なところとなっている。
 又、調整を実施した理由の主なものとしては「中長期的な販売・受注の減少」「人件費の抑制」などが挙げられる。

IV ワークシェアリングについて
 現在、論議を呼んでいるワークシェアリングについては「関心はない」とする企業が67.8%を占め、「大いに感心がある」とする企業は32.2%であった。

V 職務、能力、業績等の賃金への反映について
 年功序列や定期昇給といった雇用慣行が見直されている中、従業員の職務、能力、業績等を賃金に反映させているかどうかについては「反映させている」59.5%、「検討している」15.9%、「今後検討したい」19.6%とほとんどの企業が積極的な回答を寄せており、「反映させるつもりはない」とするところはわずか5.0%にすぎない。

VI 新規学卒者(第2新卒・中途採用を除く)の採用計画について
 厳しい雇用情勢が続く中、来年3月の新規学卒者の採用計画について「ある」とする企業は9.7%にすぎず、「ない」が70.9%、「未定」が19.4%となっている。

VII 新規学卒者の採用にあたって重視する能力・資質について
                       (重複回答)

 1位「積極性・行動力」 70.4%
 2位「熱意・意欲」 56.6%
 3位「協調性・バランス感覚」 34.0% 

VIII 賃金改訂について
 今年の1月から7月1日までの間に賃金改訂を実施したか否かについては
 (1)「引き上げた」 24.9%
 (2)「引き下げた」 8.8%
 (3)「7月以降引き上げる予定」 4.3%
 (4)「7月以降引き下げる予定」 0.2%
 (5)「今年は実施しない(凍結)」 51.9% 
 (6)「未定」 9.9%
となっており、「今年は実施しない(凍結)」とする企業がはじめて5割を超えた。




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