味と品質向上を目指して協同組合を設立!
秋田県稲庭うどん協同組合
 「稲庭うどん」は、稲川町の稲庭で保存食として誕生してから300年以上の歴史を持ち、今では日本の三銘うどんの一つに数えられ、秋田県の代表的な特産品として歩んできました。そして、厳選された素材と手作りによるいくつかの作業過程の中で生まれる独自ののど越しと食感で、消費者からの支持が得られたこと。また、グルメブームにのって右肩上がりで売り上げを伸ばしてきました。

協同組合を設立
 「稲庭うどん」の販路が拡大し、全国ブランドとして知名度が広がるにつれ新規参入業者が増え、品質にばらつきが出始めるなど、商品の質的低下が指摘されるような事態になってきました。このため、稲庭ブランドのイメージダウンに危機感を抱いた産地では、稲庭うどんの品質の向上、さらには県内一円を区域とし、業界全体の連携の強化を図るために組織化に踏み切りました。
 組合の主な事業の一つ目は、仕入れ原材料のコストダウンを図るための共同購買事業や稲庭うどんの販路の拡大を図るための共同販売事業。二つ目は、稲庭うどんの本場の味を守り、自主的な検査体制の中で品質の向上を図るための共同検査事業です。
理事長の抱負
 秋田県稲庭うどん協同組合初代理事長に就任した佐藤養助氏((有)佐藤養助商店代表取締役)は、「組織化には長い時間を要したが、今回の組織化に向けた話し合いの中で、組合員同士が本音の部分で議論し合えたことは今後の組合活動を展開する上で大いにプラスになった。反面、産地としての責任も大きくなった。若い人も育ってきており、次代にスムーズにバトンタッチ出来るような組織体制を確立したい。」と抱負を語っています。
産地ブランドの確立
 「稲庭うどん」の確固たる産地ブランドとしての飛躍を目指す次の展開として、本年3月に任意団体で商標登録を受けた認証マークを活用し、産地商品として、さらに販売の向上を図ることですが、そのためには、品質基準を明確にし、検査体制の確立を図ることによって産地商品としてのブランドの強化が求められます。
 また、販路の面については、今後も引き続き業界が一致団結して強化を図ることとしており、従来から実施している千葉幕張メッセでの「ふるさとじまん市」や大都市のデパートを中心にして開催される物産展への出品によって、販路の拡大を図りたいとしています。

 本会としては、2月から組織化に向けた取り組みに対する支援を行ってきましたが、今後も引き続き各種助成事業を活用し、人材育成などの研修会や県のチーム21・食品産業振興チーム、秋田食品総合研究所等の行政機関と緊密な連携を図りながら、稲庭うどんの伝統的な味を守るため、品質の向上に向けた積極的な支援を行いたいと思っております。

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