年頭にあたって

秋田県中小企業団体中央会
会長 東海林 正隆


 新しい世紀の幕開けにあたり、会員並びに中小企業関係者の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年を振り返ってみますと、長引く景気低迷の中、我々中小企業も企業の命運を賭けた経営を強いられ、新しい経営手法を手探りで模索するという、厳しい状況であり、政府による懸命な景気浮揚策に支えられながらも、回復の兆しが今ひとつ見えないままであったように思われます。
 また、中小企業政策の理念や方向性が大きく転換された年となり、新分野への進出、IT革命による新取引方法、取引先の開拓等、新しいものへの挑戦を積極的に進めようとする施策が、中小企業政策の中心となりました。
 一方、中小企業にとって緊急の課題でありました「外形標準課税導入問題」は、断固反対との立場を貫く会員の皆様に支えられ、見送りが決定されましたことを大きな喜びとしております。
 本県にあっては、昨年の暮れ、長年の県民運動が実り、秋田・ソウルの国際定期路線の開設が決まるなど明るい話題もありました。これを契機に産業及び観光分野にビジネスチャンスが拡大するものと思い、大いに期待しております。
 そうした中、本会では、中小企業の創業の推進を重点課題として掲げ、企業組合を活用した創業を強く進めて参りました。介護福祉関係、食品の開発・販売を事業とする企業組合が設立され、事業活動を開始しているほか、今後も設立が見込まれており、引き続きご支援を行っていくことにしております。
 組合の情報化事業も、秋田県酒造協同組合と「秋田の銘酒データベース」を県内全蔵元の参加で作成し、全国に情報発信を行うとともに、本格的な販売に着手する体制を整えたことに、大きな期待が寄せられております。また、秋田県機械金属工業会との連携では、県経済の中核をなす機械金属業界の製品・技術・資格内容等の企業情報を網羅した「秋田県機械金属企業マップ」を作成し、ビジネス機会の拡大に積極的に取り組んでおります。
 また、県内各地で開催している組合代表者会議の内容を一新したことにより、具体的且つ詳細なご意見等をお聞きすることができ、これらの点を今後の本会の事業活動に反映させていきたいと思っております。
 平成13年度の事業実施につきましては、IT革命への対応として、コンピュータ研修等を大幅に取り入れ、組合員企業まで範囲を拡大し、人材の養成を行っていくほか、あきたデザインネットワークと産業界との交流を積極的に進め、「秋田発」の新しい商品・製品作りを始めることとしており、また、食品業界の企業連携により健康食品の開発等、新産業の創出に向けた活動に対し支援を行うこととしております。
 さらに、組合の将来を担う若手経営者の幅広い参加を促すための体制を再構築し、人材ネットワークの醸成に努め、中央会組織の強化と新たなビジネスチャンスに結びつけてまいりたいと考えております。
 21世紀を迎え、限りなき飛躍に向けて力強く踏み出す会員の皆々様にとりまして、記念すべき巳年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。


→目次へ

Copyright 2001 秋田県中小企業団体中央会
URL http://www.chuokai-akita.or.jp/