誌上講演
 建設CALS/ECの概要とその取組みについて


 本会では、7月13日(木)、14日(金)の両日、建設省東北地方建設局技術管理課課長補佐赤川正一氏及び財団法人日本建設情報総合センター建設CALS/ECセンター次長谷口建一氏をお招きして『公共事業支援統合システムの概要』をテーマにセミナーを開催しました。以下、その概要についてご紹介します。

●建設省による取組み

※これまでの経緯
 建設省は、平成7年5月に「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)研究会」を発足させ、平成8年4月に「建設CALS/EC整備基本構想」を、また平成9年6月にはこの整備構想に基づき「建設CALS/ECアクションプログラム」をそれぞれ策定し、平成16年(2004年)までに建設省の直轄事業及び日本道路公団など9公団等のすべての事業について建設CALS/ECを実現することにしております。

※具体的な取組み
 この建設CALS/ECへの取組みとしては、これまで「アクションプログラム」に基づき、建設省のすべての機関において電子データの受発信体制を整備し、現在は一定規模の工事物件に対する電子調達システムの導入のための実証フィールド実験や電子データの標準化等について検討中であります。
 今後は、直轄事業の調査・計画、設計、施工、管理に至るすべてのプロセスにおいて電子データの交換、共有、連携を進めていくことになります。
 なお、このプロセスの中には入札・契約事務も含まれることから、電子入札もこの直轄事業において行われることになります。

〜建設CALS/ECの姿〜

●建設CALS/EC導入による効果

(1) 建設CALS/EC導入による業務の効率化
 この建設CALS/ECが導入された場合、次のような効果をもたらすことが想定されています。
 ・確実かつ迅速な調達と取引
 ・時間と場所の制約を受けない情報交換
 ・情報共有による事務処理のスピードアップ
 ・情報の連携による事業執行の円滑化
 ・事業と施設のライフサイクル(企画・計画、設計、製造、運用、破棄など)において一貫した支援が可能

(2) 発注者側による効果
 調査・設計から工事・維持管理に至るまで公共施設のライフサイクルに亘る情報の活用等が可能となり、その結果、「品質向上」、「コスト削減」、「事業執行の迅速化・効率化」、「事業の透明化」 などが図られることになります。

(3) 受注者側側による効果
 発注者や関連企業との間で、より正確で迅速な情報交換、経済的な資材調達等が可能となり、その結果、「品質向上」、「コスト削減」、「情報化による業務の効率化」、「競争力強化」などが図られることになります。

※ まとめ
 講師からは「その他の公共団体等もこれから、順次、建設CALS/ECの導入を進めていくことになります。受注者側である企業の皆様は、先ずこうした発注・調達情報を開示、閲覧できるインターネット環境を優先課題として整備していただきたい」と参加者に対するお願いをもって、セミナーを終了しました。

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