北緯40度
vol.174

未利用特許の活用で 企業の差別化を


秋田県知的所有権センター 特許流通アドバイザー
石川 順三 氏

 今回は、昨年1月に就任された特許流通アドバイザーの石川順三氏にご登壇頂きました。

初めに、特許流通促進策についてお聞かせ下さい。

 特許流通促進策の中身としては、特許流通フェアの開催、特許流通データベースの構築、未利用特許活用事例集の整備、技術分野別特許マップの整備や特許流通アドバイザー制度などがあります。
 権利化され、登録されている特許、実用新案の7〜8割は残念ながら未利用の状態にあり、可能なものを権利者に開放いただき、中小企業の振興に役立てようというのが、大きな狙いです。もちろん、提供者と利用者がともに有益を得ることが必要不可欠な条件です。
 これら未利用特許をはじめ、利用中の特許を他にお貸し、さらに有効活用するための取引支援策が特許流通支援事業といわれるものです。

次に、特許流通アドバイザーの業務内容についてお聞かせ下さい。

 主要業務は、特許取引経験の少ない中小・ベンチャー企業に対して、特許の円滑な導入、提供を支援することです。
 具体的には、特許導入を希望する企業に対する流通データベースの検索指導、特許の開放や導入に係る取引ノウハウに関する指導相談、企業ニーズの掘り起こしと解放特許等のシーズ紹介、特許の取引契約をする際の仲介業者、技術・商品開発コンサルタントや大学、公設試験研究機関などへの紹介、事業化のための助成措置の紹介等々です。
 これらはもちろん、無料でご相談に応じ、また企業訪問した際の秘密は絶対に守ります。
 また各県1人ずつ、同業のアドバイザーがおりますので広い技術分野での専門知識もご利用になれます。

就任後1年3ヶ月くらい経過しましたが、県内の特許流通事情はいかがですか。

 就任後、正味1年3ヶ月で電機・電子関係85社、機械器具関係60社、土木建築関係20社、その他65社で計230社ほど企業訪問しました。中でも、ニーズとして捕らえた案件が約50件弱で、そのうち、商談に結びついたものは約20件程度、現在、4件の技術移転(契約)が実績となります。
 一部報道にて発表されたものもありますが、秘密事項のため紹介できず、残念ですが、1〜2年後の実質的な企業成果を楽しみにしております。
 幸い費用的な損失はないものの、失敗した事例もあり、特許提供者・利用者双方にご迷惑をかけた訳で、やはり経営者が真から必要とするニーズでなければものにならなぁと痛感しております。
 また、技術移転では特許提供者・利用者の立場が正反対であり、契約最終段階でのまとめの難しさも改めて痛感しております。
 わずか1年ちょっとの活動ですが、当初と比較すると知的所有権に対する企業の意識が高揚していること、ベンチャーや個人保有の特許・実用新案について開放登録による市場での利用依頼相談が増えてきているように思います。

特許流通に関して、県内企業にご紹介できることがございましたらお聞かせ下さい。

 先ず第一には、未利用特許をうまく使い、発明者の意図とするものと全く異なった分野に応用しますと、独占的権利化となり、将に「棚からぼた餅」、労せずして特許を取ったのと同じになります。
 是非、特許流通データベース(インターネット上で無料検索可)を活用され、事業化へ役立てて頂きたい。
第二には、課題達成意識(新分野開拓、新規創造等)を常に持たれて、必要とする真のニーズをお持ち寄り下さい。 第三には、21世紀は知識社会に向かい、知的財産権が企業利益の根源をなし、「核」になるといわれております。
 未利用特許を有効に利用され、他からの差別化に役立てていただきたい。遠慮ないご相談をお待ちしております。
 なお、特許登録アドバイザーとして板持氏(元アキタ電子幕Z術顧問)も非常勤としておりますので、何なりとご相談下さい。

最後になりますが、石川さんはどのような休日をお過ごしですか。

 「よく働き、よく遊べ」をモットーに、土・日曜日で如何にストレスを解消させるか、色々なものに挑戦しています。土曜日は動的に(ゴルフ、磯釣、山歩き)、日曜日は静的に(油絵書、スポーツ観戦、熱帯魚、パソコン)過ごしておりますが、凝り性のため、一つのものに凝らないように心がけています。



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