西暦2000年、新しい時代の幕が開きました。
そこで、県内で頑張る中小企業組合・中小企業者の方々に2000年にかける夢をお伺い致しました。



「めんの日」を全国に発信

秋田県製麺(協)
理事長 米澤 實氏


 業界は、戦後の食糧難時代を契機に、10年周期で色々な環境の変化に遭遇してきました。生物は、「食する」ことによって命を繋いでいますが、そのためのエネルギー源を私ども業界が供給していることに、もっと誇りに思うべきです。
 現在、消費者のニーズは多種多様で、商品の差別化が今まで以上に求められる時代です。地域性に合わせた独自性のある商品づくりがこれからの業界の課題です。
 2000年、恐らくは大企業と中小企業が共生していくような時代になるものと予想されます。
 昨年は永年の夢であった「めんの日」を制定することができました。消費拡大の効果はもちろん、末代まで「麺」と言う食文化を語り継いで欲しいと思ったのです。秋田県の提案が全国の連合会を動かし「めんの日」元年になり、当組合でデザインしたキャラクター「めん太郎」は全麺連で封筒のマークとして使用されるなど、全国規模で活動が展開されています。
 将来、全国民から「めんの日」を認知してもらうことが私の夢です。「めん太郎」のマークが、組合の活性化ひいては業界の活性化の起爆剤になってくれればと願っています。
 異業種との連携という意味でも「めんの日」のイベントによって、今まで縁の薄かった県麺類飲食環境衛生同業組合並びに県中華料理環境衛生同業組合とも連携が深まったことが大きな収穫でした。今後も協力しながら活動を行って行けば、相乗効果が期待できるものと思います。
 川柳の応募は、全国から1,500通ほど寄せられ、また、インターネットでのアクセスも多く、情報化のすごさを再認識させられました。全国の業界間のネットワーク構築による販売チャネルの開拓は大きな課題。情報化こそが生き残る道ではないでしょうか。
 また、一つの時代の大きな波に立ち向かって前進したいと思っています。




新しい魅力ある市民の“台所”を再生

(協)秋田市民市場
理事長 川村 忠氏


 かつて市民市場は文字どおり「市民の台所」として賑わっていましたが、築後35年となり、建物の老朽化が進んでいるほか、空き店舗も目立つようになりました。
 われわれ小売店にとって、商いの環境はさらに厳しくなっていくことと思います。大型店が進出してくるからただ単純に小さな店が駄目になるというのではありませんが、商いの基本的な姿勢がきちんとしていないお店は競争から淘汰され、一般論としては、ワンストップ型のショッピングセンターにますます人が集まっていくようになると思います。
 毎年恒例の年末の売り出しは、第2週の6日間、2000年に向かってゴー・ゴー・ゴーということで恒例の市場祭りの景品(市場内で使える商品券)の規模を555万円に膨らませお客さんに喜んでもらいました。14、15日頃からはハタハタで賑わいをつくり、お正月用品も組合員一丸となって品揃えを強化しました。売上はまあまあといったところですが、景気については確固たる手応えを実感するまでは至っておらず、お客さんの懐がもう少し緩んでほしいなと思っております。
 長年議論を尽くしてきた市場の建設は、14年度の完成を目標に、市民の新しい魅力ある機能溢れる“台所"を再生すべく頑張ります。ただ、立て替えることが目的ではなく、あくまで市場という業態を基本にセルフゾーンや飲食・サービスといった部門も強化し、大型複合市場として地元の消費者にきちっと評価される店づくりを目指します。不安はありますが、商いの基本姿勢である「信用・信頼・親切」をキーワードに、今後とも対面販売という市場の基本原則を維持し、お客様とのコミュニケーションを大事にし、新しい時代を不退転の覚悟で切り開いて参りたいと思います。




地域密着の経営を目指す

六郷町商業(協)
理事長 湯川 雄幸氏


 六郷町は古くから寺の町として栄え、商店街はにぎわいをみせておりました。しかし近年、大曲・横手両市に郊外型大型店の進出が進み、町の商店街は急速に衰退、どの店も厳しい経営が続いております。
 この様な状況のなかで、同じ境遇にある同業者6名がスクラムを組み、新たな気持ちで、また、新たな店舗で2000年の新時代に挑戦することになり、昨年11月「六郷ショッピングセンターAX(アックス)」としてオープン致しました。AXの最大の強みは、小回り性とスピードであり、常にお客様のニーズにフィットした木目の細かいサービスを迅速に提供することではないかと思っております。商品や値引きだけではなく、それ以上に心のこもった感謝の気持ちを持ちながら「同じ商品を買うならばAXで買いたい」と思わせる「心のサービス」が何よりも大切であると思っているところです。
 また、地域密着店として、地元農家と提携した有機野菜の販売や宅配サービスなど、人と人とが触れ合うことにより、他の店と一味も二味も違うお客様に愛されるAXになれるものと考えております。 
 現在はあまりにも物質中心に走っている時代であるように思います。インターネットで買い物もできるような時代ですが、人間が直接介在しないこともあり、いろいろなトラブルが起きております。
 今から数年前、今日のようにインターネットが盛んになる前のことですが、梅原 猛先生(哲学者)が「世の中は便利になるが、特にインターネットの時代になったら、お互いが道徳的な心をしっかりと持ち合わせていなければ、多くの事故が起きるでしょう。」と言うようなことをお話しされておりました。
 日常生活でも商売でも、心に余裕が持てなくなり、ただ物・金を追求する事のみに奔走するのは大変危険なことになるのではと危惧するものです。これからの小売業が21世紀に生き残るためには、まず人と人とが笑顔で接して「心のこもったサービス」に徹することが何よりも重要なことではないかと思っているところです。  




2000年!ヤッホー!
食と遊びと手づくりの街を

「キララしんまち」鹿角市花輪新町(商振)
専務理事 切田 利明氏


 いつの時代も商店街は、その街の顔であり街のへそ(核)であると私は思っています。
 今までの商店街は、消費者に買物だけに利用されてきました。
 これからの商店街は「ゆっくりと時間を消費」させる空間の提供とコミュニケーション、人と人が触れ合う演出(フェスティバル・多彩なイベント・店前ディスプレイ等)が必要だと考えています。
 例えば、我が商店街「キララしんまち」では高齢者・障害者も参加できる(バリアフリーイベントや高齢者にデイサービスの提供できる拠点作り・今有る空間を使ったカフェテリア・店前ディスプレイとワゴン・毎日が縁日等)人と人が触れ合う演出も視野に入れて「逸品フェア事業」の研究に取り組みたいと思っています。
 それこそ商店街に、新しい創造性(アート・パフォーマンス・環境等も)が求められていると思います。
 西暦2000年は5月から2月まで、どこの街にも負けない多彩なビックイベントを各月展開する予定でおります。
 楽しく新しい情報を発信出来る街を目指して、行き交う人々とのコミュニケーションを大切にこの街の文化を守り、そして新しい文化を作り上げていくことが出来るように、粘り強く商店街を育てて行きたいと思います。2000年の景気の安定を願い、21世紀に向けて大きなステップアップをしたい。
 一度わが街鹿角市花輪に遊びに来てください。 「美味しいおそばが待っているよ。」




人的ネットワークを通じた多角化戦略

秋田県異業種交流倶楽部(AIC)
会長 齋藤 健悦氏
(株)アイセス代表取締役)


 ここ10年間の中小企業を取り巻く大きな変化というのは、環境と資源という2つのキーワードで表現されるのではないでしょうか。中小企業はフロン規制に始まり、ダイオキシン、容器リサイクル法と続く環境関連問題に大きな影響を受けました。
 2000年以降には更に新たな課題が生じるものと思われますが、常に変化を先読みする先見性が求められる時代になると思います。後手後手の対処では対応できなくなるでしょう。
 情報化社会の中、あふれる情報の中から、真の情報を活かし、市場ニーズに適合した高品質製品の提供が企業生き残り策となる。経営者にとって、これまで以上にチャレンジ&チャレンジ精神が求められるでしょう。
 中小企業基本法の改正によって、我々より数段力を持った企業、つまり2000年の辰が新たに中小企業者の仲間になるわけですが、(私は戌年ですが)戌は決して吠えない、大いに辰を歓迎します。大企業とも決して縦並びの関係ではなく横並び意識を持って対応すべきと思います。
 緩やかな連携組織作りが新たな中小企業施策の柱となりました。異業種交流には、その必要性を認め、また大きな効果があるものと私は期待しています。
 昨年4月には男鹿市・南秋田郡地区の経営者仲間で「男鹿南秋テクノフォーラス」というのを作りました。地域の特性を活かし、当地の企業家に2000年が正念場だとして、世の中に風を吹き込み、世界に羽ばたく企業を21世紀には出現させるのが夢です。
 しかし実情は残念ながら、交流グループの活動は全国的にもマンネリ、停滞気味のところが多い。この一因として私は、交流参加の動機が、自社にとってどのようなメリットがあるかのみにあり、グループに対して何ができるかを軽視していることがあげられるのではないかと考えています。
 例えば電気屋が造園屋の商売を見て参考になる直接的なものは少ないが、システム面など勉強することはたくさんあると思います。プラスになるかどうかは、経営者の異業種に対する姿勢・考え方によってだいぶ違ってくるのではないでしょうか。
 県内中小企業には技術的な面ですばらしいものを持ったところがたくさんあります。これらの方々と一層の交流を深め、極限にチャレンジする精神で頑張っていきたいと思います。




ものづくり業界との
異業種交流をめざして

あきたデザインネットワーク
幹事 森川 恒氏
((株)バウハウス代表取締役)


 デザインネットワークという名前ですが、広くものづくり業界との異業種交流を目標にしています。
    一口にデザインといっても、グラフィック、工業、工芸、建築、インテリア、サイン、コピーライター、カメラマンなど様々な方々が、デザインの仕事をしています。しかし、これまではこの人たちの連絡組織も交流もありませんでした。また優秀なデザイナーのUターン者があった場合にも帰属組織も業務も無く、中央に戻らざるを得ないのが実情でした。
 デザインは、生産の初期段階から構想づくりや企画に深くかかわり、他種類の産業に関連が深く、ものづくりすべてにデザインが関係しているといっても過言ではありません。
 秋田県は、素材には大変に恵まれているところだと考えていますが、これを県外に売り出すための手法については、決して上手だったとは思えません。例えばパッケージ、流通、コマーシャルなどにおいてよそに較べて見劣りがしていたのではないでしょうか。生活に密着した地場の強みを活かし、秋田の知的資源をフルに活用し、「製造技術から創造技術へ」、「下請け系列から創造自立型へ」をモットーに秋田県の製品を全国に発信したい。
 グループはこれから1年は、県内のネットワークを更に広げ、情報収集に努め、デザイナーズリストを作成し、インターネット、印刷物等で紹介していきます。また2ヶ月に1回の交流会(ナイトセッション)の開催によるお互いの情報交換で交流を深めます。将来は、製造業者、金融、商社、弁護士、行政、大学等の方々をも巻き込んで、創造性豊かなデザインマインドによる新しいものづくりと新しい産業への展開ができればという夢を持っています。現時点での活動計画は流動的ですが、一生懸命走りながら、年輩者の経験と若い人たちの発想を活かした問題提起型活動を目指します。




資源有効活用型メーカーへ

日本精機(株)
代表取締役 斎藤 隆氏


 2000年は環境、エネルギー、情報、高齢化がキーワード。われわれものづくりの分野では資源消費・量産型から「資源の有効活用」がテーマとなるでしょう。
 国籍、人種、言語の違いを飲み込んだ資本の動き、人の移動が加速し、トランスナショナルな企業が数多く誕生します。中小企業にあっても地域にこだわって生きていくのか、外国をも見回した戦略をとっていくのか選択を余儀なくされると思います。
 現在当社は大手工作機械メーカーへの製品供給が売上の約半分を占めていますが、工作機械業界は内需の6割が自動車産業関係。したがって日産自動車のリバイバルプランの業界への影響はすさまじいものがあります。
 又、石原知事が、東京都にディーゼル車は入れないと言う話をしましたが環境問題に対する関心はそこまできている。燃料電池の開発は技術的には完成しており、水素と空気中の酸素を反応させて自ら発電しながらモーターで走る燃料電池自動車が実用化されればクルマからエンジンやトランスミッションが無くなります。究極の無公害・環境対応型と言えるが、そうでなくてもわが国の自動車産業の生産設備は過剰といわれ、加えて工作機械の海外生産が進んでおり、得意分野の明確化と差別化をどう進めていくか今後工作機械業界に課された課題は大きいといえます。
 今後の当社の方向付けとしては県内の様々な分野と連携し、地場産業のレベルアップに機械屋として貢献していきたい。そのために秋田県に多くの夢とプロジェクトが出てほしいと思います。これまでも地元関連の新製品開発を支援してきましたが、地域社会に貢献しながら自社の生き筋を見つけていきたい。
 又、精度、コスト、納期をお客様の視点でさらに追求し、技術力を背景に、より一層創意工夫を加えた提案をしていきたい。特に、これからは環境問題や高齢化など仕事にテーマを持って取り組むことが大切で、若い社員のチャレンジ精神を何よりも期待しているところです。


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