北緯40度
vol.173

ハローワーク、雇用能力・開発機構
秋田センターの活用を


秋田県商工労働部職業安定課長
松瀬 貴裕 氏

 今回は秋田県商工労働部職業安定課長に就任3ヶ月の松瀬貴裕氏にご登壇頂きました。

県内企業の雇用情勢と展望について

 最近の景況は国全体としてもまだまだという感じで、県内でも建設業など一部に明るい兆しが見受けられますが、景気の牽引役である設備投資や個人消費は引き続き低調に推移しています。
 9月の有効求人倍率(季節調整値)も0.50倍と低水準です。雇用情勢の回復は、景気の回復に半年から1年ほど遅れる傾向にありますので、この厳しい情勢は今後しばらくは覚悟しなければなりません。
 しかし、こうした中でも総合的な経済・雇用対策の効果や企業の努力によって、解雇などによる事業主都合離職者の数はかなり減少しております。今後とも手を緩めることなく雇用対策に取り組み、雇用情勢の着実な改善を支えていきたいと思います。

厳しい県内の景況の中で課長としての抱負

 去る8月2日に設置された緊急雇用対策推進本部において、県をあげて独自の緊急雇用対策を実施しますが、職業安定課としても当県の実情にあった短期及び中・長期の雇用・就業対策に取り組んでいきたいと思います。
 具体的には、学卒者を中心とした若年層や、リストラの影響の矢面に立たされている中高年求職者の方が、一人でも多く職に就いていただけるよう全力を尽くしたい。また産業構造の変化や就業形態の多様化に対応した雇用機会の創出のため、新規・成長分野雇用創出特別奨励金などの助成制度により、ベンチャー企業等を支援していきます。

中小企業向けの助成施策について

 厳しい雇用情勢の中、いま行政に求められているのは、雇用維持と雇用機会の創出です。その担い手として期待される中小企業支援のため、国では種々の助成制度を設けております。特に、今般創業や新たな分野への事業の展開を図る中小企業に、人材確保・雇用管理・能力開発などの側面支援をするため「改正労働力確保助成金制度」が施行されました。県内の利用件数は現在約80社ですが、まだまだ利用可能かと思われますので、引き続き幅広い周知を行っていきます。手続きが面倒臭いということで、申請をためらわれる事業主の方々が多いのですが、一度使っていただければ、その良さが分かってもらえるものと考えております。是非ハローワーク、雇用・能力開発機構秋田センターをご利用ください。

新規高卒者対策について

 新規高卒就職希望者の9月末現在の内定率(県内)は、27.4%と、平成に入っての最低水準となっています。景気の先行き懸念から、採用についてなお慎重な企業が多いこと、採用マインドが更に高学歴化にシフトしていることが原因としてあげられます。
 高卒者の県内就職促進は、将来、秋田の産業、企業を支えていく貴重な人材の育成にも通ずるものです。さらに、今は、企業においては良質な人材確保を図る好機でもあります。高卒者を含む新卒者の採用を是非お願いいたします。県では求人の確保と就職未内定者の就職促進のため、ハローワーク所長を先頭に求人開拓推進員による事業所訪問で求人開拓を実施しておりますので、訪問の際には、求人について検討をお願いします。

休日の過ごし方と秋田の印象については?

 中核都市としては中心街が少し淋しい感じがします。活力ある街には、活力の起点となるポイントがあるものですが、秋田では、そのポイントがぼやけているようです。人や車の往来の活発な、秋田のポイント作りが重要だと思います。
 家族4人での赴任で3ヶ月にして県内を大体くまなくまわってみましたが、実際の面積以上に広く感じました。秋田市と地方都市をつなぐ交通網がいま少し便利になればと思います。週末は温泉やドライブを楽しんでますが、今後はスキーなど冬のスポーツにも挑戦します。土地が広く、人々の心が穏やかで優しく、妻もこどもたちもそれぞれの環境・人間関係のなかで秋田の地を堪能してるようです。



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