第1回組合事務局代表者等交流事業を実施

 本年度第1回の交流事業を去る6月15日(火)〜16日(水)の2日間にわたり、宮城県内の組合を中心とした視察研修の形で秋田県中小企業団体事務局協議会(会長:吉川忠盛)との共催で実施した。
 本年で3回目となる視察研修にはこれまでで最も多い27名(内女性5名)が参加した。
 2日間行動を共にした会員同士が本研修を通じてより交流が深まり、大変有意義な視察研修であった。


 最初の視察は、集団化に成功した事例として仙台印刷工業団地協同組合を見学。
 当団地は、昭和35年に日本の印刷業界では初めて印刷工業団地として認可されたもの。
 印刷業界は景気の動向に左右されやすく、競争の激化や印刷機械の技術革新にともない、安定的な受注を確保する必要があった。
 昭和42年には官公需適格組合の資格を取得し、郵政省や国税局等の官公庁へ積極的に営業を展開して共同受注を推進、今では組合の中心的事業となっている。
 団地内には、製版やグラビアなど専門的な技能を有する組合員も多く、自社で不得意な仕事は得意とする他の組合員に配分するなど、相互連携によるアウトソーシングが確立されており、組合員企業に感謝されている事業の一つである。
 ちなみに現在の受注高は年間約7億円である。
 また、昨今の多様化するユーザーのニーズに対応するためには、新たな設備投資が必要となるが、設備リース事業によって低利での設備貸与を行うなど組合員の経営の近代化に対しても積極的にサポートしている。
 教育情報事業では、組合員企業の機械設備のハイテク化が急速に進んでいることから、人材の育成が活発に行われている。
 この他にも組合では高速道路通行料金別納事業や駐車場事業など活発な経済事業を行っており、事業で生じた利益は利用分量配当によって組合員に還元するなど、組合と組合員との緊密な連携を保ちながら円滑な組合活動を推進している。
 組合員企業が価格競争などの厳しい状況にあって、組合員のニーズに合った事業展開が、現在の組合の飛躍につながっていることを強く感じた組合であった。

 次に、視察をした所は同じ団地内の(株)ユーメディアという全国的にも最も進んでいるといわれている印刷会社。
 この会社は、常に時代を先取りして先行投資をし、いち早く最新新鋭設備の導入を図っている総合印刷会社としてページ物、広告、カタログ印刷等の各種印刷の他に、デジタル印刷化に対応した企画提案、イベント等の実施をしている。
 課題としては、投資稼働率が低いことや内部連携、運搬等のムダなどの改善すべきこともあるようだ。今後の経営戦略として、「地域に密着した情報、企画、デザイン等の提案型企業として進んでいきたい」とする経営者のトップの考え方に触れ大いに感銘を受けた。
 企業訪問は、その企業の状況を肌で感じ、経営者が今何を考えているかを知ることが、とても大切なことだと痛感した視察だった。
 なお、今回はこのほかにも鳴子木地玩具協同組合や宮城県産業技術総合センターを訪問。
 お忙しい中、ご説明頂きました関係者の皆様のご協力に感謝申し上げます。




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