ポイントカードサミット開催される

■今年度の統一テーマ:「ポイントカードによる顧客管理」■

 本会では、去る9月18日(金)ホテルメトロポリタン秋田において、「ポイントカードサミット」(参加8組合35名)を開催しました。
 県内小売商業は、相次ぐ大型店の進出、コンビニエンスストアの大量出店等の影響を受け、厳しい環境下にあります。これらに対応するため、ここ数年県内各地の小売商業者は、顧客の確保・固定化を進めるため、地域単位に組織化しポイントカードの発行事業を進めてきました。
 本会でもこれらの活動を支援するため、平成7年度よりポイントカード発行事業の運営指導を強力に推進してきました。
 今年度はテーマを「ポイントカードによる顧客管理」とし、講演会及び二分科会を開催しました。


基調講演
 テーマ「ポイントカードによる顧客管理方法について」

 講師 株式会社リゾーム 代表取締役 中山 博光氏


−ポイントカードは道具 経営戦略から構築すること−
 ポイントカード事業を実施している組合の皆さんが今日お集まりになっておりますが、ポイントカードは我々にとって単なる道具でしかない。しっかりした経営戦略があれば、ポイントカードの効果はもっと引き出せる。そう考えてください。
 今、経営者の本質がお店の実績に現れる。そんな時代かと思われます。
 経営能力、人間性、価値観等、経営者の経営姿勢の差がお店の実績として現れる。修羅場、土壇場、正念場を超えてきた経営者は人間的に強い。経営戦略の基本の部分は、経営者の人間としての本質に繋がっている。

 経営の3大戦略は、
@顧客戦略の確立/お客様は誰なのか
A商品戦略の確立/お客様はどのような商品を求めていらっしゃるのか。
B販売戦略の確立/どのような販売方法で、どのタイミングで提供するのか。

 経営とは、お客様に商品を販売することにより、目標とする売上、利益を確保することである。具体的な数値目標を掲げ、目標を達成するため戦略・戦術を立て、実行していく。
 目標のない戦略は、検証・分析はできない。目標と現実の差を分析することが、本質を知ることになる。「目標のないところに戦略なし。戦略なきところに行動なし。行動なきところに成果なし。」と言われる。
 具体的には、「あなたはどうなりたいのか。それをどう為すのか。だからどうあるべきなのか。」を常に念頭において、戦略を為すべきである。
 経営戦略の本質を掴む事ができれば業績はもっと伸びるし、ポイントカードの効果は、今以上に出てくる。皆様のポイントカードへの取り組みの如何が将来の皆様の経営の実績に直接現れて来ると思われます。

−売上のアップは客数・購入単価・来店回数対策である−
 売上は、客数×購入単価で計算できるが、売上アップを図るためには、客数、購入単価の増加対策に加え、来店回数を増加させる対策が必要である。
 客数を伸ばす方法としては、新規顧客を増やす方法、既存顧客の来店回数を増やす方法があるが、新規顧客対策としては、取り扱い商品の拡大・特別イベント・撒き餌クーポン等の対策が考えられる。又、既存顧客に対しては、満足いただける接客・オリジナルイベントの実施・次回来店の仕掛け等が考えられる。
 購入単価を増やす方法としては、1品の単価のアップ、声かけ、お客様への提案・コンサルティングセールスの強化。買い上げ点数を増やす方法としては、コーディネート販売・クレジット販売・組合せ企画商品の開発・ポイントサービス等が考えられる。
 来店回数を増やす方法としては、来店頻度の高い商品の品揃え、イベント等の強化等が考えられるが、あるお店では、52週別戦略の導入、顧客の絞り込み、顧客の狙い撃ち等の方法で来店回数を増やす工夫をしている。
 来店回数を増やす対策を考えるとき、顧客の管理リストが大いに活用できる。来店回数の多い顧客、つまり、固定客の来店回数を増やすとともに、管理リストの中での来店しなくなった顧客に対する何らかの働きかけ(DM等での来店案内)が有効な方法である。
 ポイントカードによる顧客管理リストを固定客・上得意客の管理のみに活用することは勿論であるが、来店しなくなった、あるいはお買い上げ金額の少なくなった顧客への働きかけの為の情報とするべきである。この部分への働きかけがお店の売上げ向上の要となる。反対に、来店案内等の働きかけをしない顧客の選別にも管理リストは有効な情報源となる。

−ポイントカード成功のために−
 最後にポイントカードの成功のための考え方を若干述べてみたい。
 ポイントカードを実施する目的はいったいなんだろうか。みんなが入っているから自分も入ろう。組合の仲間から誘われたから自分も入ろう。こんな気持ちでは、自分の経営には何にもプラスにはならない。逆に一生懸命やっている人たちに迷惑がかかる。そう思ってもらったほうがいい。
 加入する目的・利用する目的を自分自身で十分に考えるべきである。考えることが、ポイントカード事業に対して適切な意見を出せることにも繋がるし、事業を活発に実施することにも繋がる。

 我々小売店がポイントカードを実施する目的は次のようなことだと思う。
@加盟店が売上げ・利益をあげること。顧客の固定化が実現できること。
 組合に加盟してよかった。お客様に喜んでいただいてよかったと思う実感が大切。
A加盟店と顧客との接点を増やすための事業を構築。お客様にとって、「カード持たなきゃ損」「ポイント貯めなきゃ損」「ポイント使わなきゃ損」と言う気持ちを持たせることが大切。
B情報の確保による効果的、戦略的経営の実現。
 上位顧客対策・未来店顧客対応・品揃検討活用・各種DMへの活用を考える。
C加盟店の信用度の高まり。強力な組織づくり。
 魅力あるイベントの連打や加盟店への顧客の評価向上が図られる。強い組織力により次に事業の布石が打てる。
 加盟店にとって、加入目的の明確化がどうしても必要であり、そのことにより組合主導のイベントから自企業主導によるイベントの構築が可能となる。
 お客様が本当に喜ぶイベントは、組合主導によるイベントと加盟店個々で計画するイベントの組み合わせではないかと思う。加盟店個々のイベント開催の工夫が組合のポイントカード事業の成否を握っていると言っても過言ではない。
 ポイントカード事業の実施効果を倍増させるための確認事項を参考のためご紹介したい。
@お客様にポイントを貯める目標を持っていただくための企画は、各世代毎に盛りだくさんあるか。
Aその企画は、3ヶ月以上前からお客様に告知されているか。又、各加盟店で接客時に説明はちゃんとなされているか。
B出し惜しみ加盟店は、きちんと脱会してもらっているか。
C個店でのイベント企画はどんどん実施されているか。
Dカード会員に対し特典をちゃんとつけているか。
Eイベントの企画立案、イベント作業は組合員全員で協力し合っているか。
F定期的に全員参加の会議は実施しているか。
G自分たちよりもっとすばらしい活動をしている先進地の事例に触れているか。
Hお客様のご不満は何なのかを把握し、即対応しているか。
I組合として次の目標、夢を語り合っているか。

 以上がポイントカード事業の効果倍増のために皆さんが行う活動をまとめたものです。
 参考にしていただき、ポイントカード事業の益々の発展のためご活用ください。


第1分科会
「魅力あるイベントの実施について」


第1分科会では、ポイント・カードやスタンプ事業を実施している8つの協同組合や行政等17名が参加し、それぞれの自己紹介の後、魅力あるイベントを実施するために以下のような視点から熱心な討議が行われた。

@基本的なイベントの打ち方・考え方について
 イベントの計画を年間で組むか、四半期か随時か。イベントを回収型と発行型で意識して併用しているかといった実践的な情報交換を行った。イベント告知をできるだけ早期に行うことが課題になった。
Aお客様に喜ばれたり、好評だったイベントは?
 「現金のつかみ取り」といったリアルなものには根強い人気があるが、一方で従来からの定番である温泉招待旅行もお年寄りを中心に支持者が多い。
B組合主導でない、個店独自のイベントの事例は?
 ほとんどの組合が、その事務局が主体となって組合員を引っ張るという形である。但し、業種的には不動産や社会保険労務士が効果的な配布の仕方をしている事例も報告された。

 ともすればマンネリになりがちなイベントであるが、金をかければ良いというものではない。創意工夫の大事さ、その継続性、定番型とスポット型の組み合わせ等、今後の糧になるものが多い懇談であった。


第2分科会
「事例に学ぶ顧客管理について」


 県内で顧客管理を実施している組合は4組合と少なく、また、組合員の利用件数も非常に少ない状況である。
 そこで、中山講師より組合で保有する顧客管理データ項目及び帳票の種類、また、組合員に利用してもらえる工夫について事例を交えて説明がなされた。
 その中で、データを分析するためには比較する基準が必要であり、日時にしても、何日から何日までのデータをまとめられる等自由に設定できるシステムが望ましい。
 帳票のデータを数字のままで組合員に提供しても利用されない。グラフ等をうまく活用しビジュアルに作成することが必要である。組合員の利用を促進するためには、作成した帳票類を事務局が待っているのではなく、積極的に提供していくための場づくりが必要である。ただ単に個店に配布しても利用はされない。
 組合主導でデータの活用方法を提案していかなければ個客管理データの利用会員数を伸ばすことができないとのアドバイスがなされた。

ポイントカード・サミットの参加者からは、今回の基調講演及び分科会のアドバイスを参考に顧客管理を積極的に進めていかなければという意見が多く出された。


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